エリクソンの発達段階理論 〜親密性を失ったら、待ているのは、「孤独」〜

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心理学を少しでもかじったことがある人なら、発達心理学者の「エリクソン」(Erikson, E. H.)という人を聞いたことがあると思いますが、彼が提唱した「ライフサイクル」(life cycle)という概念と、人生を8つの発達段階に分けた「社会的発達段階」などについて今日は書きます。

長寿が進み、人生が長くなったことで、「生涯学習」という言葉も多く聞かれるようになりましたが、形や、見え方は変われど、生まれた時から、死ぬ時まで、人の人生は常にある課題との向き合いである、というのがエリクソンの発達理論です。

エリクソンの発達理論とは?

(image by http://humandevelopmenttheoryoferickson.blogspot.jp

それぞれの8段階で、人は、「○○vs●●」といった様に、1対1の解決しなければならない”課題”との戦いがずっと続くという考えで、例えば、生まれてすぐの乳児期には、「信頼 vs 不信」という課題があり、この信頼とは、親を代表とする、自分を育てる人への信頼を確立できるかどうか、という課題です。

発達段階

  • 乳児期:信頼 対 不信
  • 幼児前期:自律性 対 恥、疑惑
  • 幼児後期:積極性 vs. 罪悪感
  • 児童期:勤勉性 対 劣等感
  • 思春期・青年期:アイデンティティ確立 対 拡散(混乱)
  • 初期成年期:親密性 対 孤独
  • 成人期:生殖 vs. 自己吸収
  • 成熟期:自己統合 vs. 絶望

この様な感じで幼少期が過ぎたら、多くの人が聞いたこともある「アイデンティティ」という課題に差し掛かります。

今では30代でもこの課題と向き合わなければという状況の人もいるという話もありますが、主に青年期、つまり10代後半に向き合う課題で、「自分とは何者か?」ということに対する答えを見つけるというものです。

この課題をクリアすると、続いて初期成年期に入り、「親密性 対 孤独」という課題に移るわけですが、エリクソンの発達段階においてもう一つ大事なことが、それぞれの課題をクリアできない場合、「クライシス」(危機)と呼ばれる状況に陥り、人生をうまく進められなくなるとされています。

つまり、例えば、幼児期に親や保護者への信頼が得られないと、不信に陥り、精神的なレベルで人生に影響を及ぼすということ。

青年期にアイデンティティの確立に失敗すると、拡散といい、自分は一体誰で、何のために生きているのかがわからないという危機に陥り、何に対してもやる気がもてずニートになったり、自殺願望が出たりということになりかねないのです。

そしてこの理論の最後、8段階目が、「自己統合」を目指すとされていますが、これは、自分の人生について全てを受け入れて、死に向かう自分も受け入れて、安らかな気持ちで死に迎える精神状態へと洗練されていく、という中、この課題に失敗すると、人生への後悔や挫折感を感じ、それに悩み、死ぬことが恐怖でしかなかったり、総合的に絶望感の中で日々を過ごすということになってしまいます。

30代の自分が向き合っている課題

エリクソン先生は20世紀の人です。

91歳まで生きられましたが、当時の平均寿命と、21世紀の今の平均寿命は少し変わってきているので、年代が間延びしていると思いますが、それぞれの発達段階には想定の年齢があり、エリクソン先生の考えでは10代後半でアイデンティティを確立できたのち、6段階目の「親密性 対 孤独」という課題に向き合うのが20代から30代とされています。

つまり、いま35歳のボクは、アイデンティティの確立に失敗していなければ、この、「親密性 対 孤独」と向き合っている時代だということです。

「親密性 対 孤独」とは?

さて、それでは、この「親密性 対 孤独」とはどんな課題でしょうか?

簡単に言えば、「恋愛や結婚」です。

親密性とはつまり、”自分とは何か?”という課題で気がついた、自分に対し、その後の人生を共に歩むパートナーを見つけ、その人と親密な関係を築くということです。

そして、その課題に失敗した時訪れるのが、「孤独」なのです。

孤独の恐怖

今の時代、”結婚をしない”という道を選ぶ人も多くなっているかもしれませんし、先に書いた通り、エリクソン先生がこの考えを提唱した時代と今は少し変わってきています。

なので、必ずしも親密性を見つけ出すことが人生を進めるキーではなくて、他の道もあるのかもしれません。しかし、親密性を求めているにも関わらず、そこに失敗すると、「孤独」がやってくることは、変わらないことなのかもしれません。

今ボクに残されたのは、この6段階と、7〜8だけですが、もしかしたらボクは今、とっても孤独なのかもしれない、と最近思う出来事がありました。

いや、孤独でありたくない、という想いが強いのかもしれない、と思うのです。

まとめ

人生ずーっとうまくいく人はきっといません。

エリクソンの発達段階がある程度正確に人の人生への影響を指摘しているとして、どこかの段階でつまづいた人はきっと多いと思います。

しかし、エリクソンがこの考えを発表したのはきっと、こうした人生の「危機」を明確にし、乗り越えるためのヒントにしようと思ったのではないかと思いました。

ボクは今、「孤独」という課題と向き合っていますが、乗り越えて、いつか、第8段階である「自己統合」にたどり着けて、「あー、いい人生だった」と思いながら人生を終えられる日が来るのでしょうか。

今は何もわからないですが、早く成熟した大人にならなくちゃ、ですよね。

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書いてる人
シアトル生まれ、大阪育ち。第一言語は大阪弁。現在は日米行ったり来たり。EXSでは、留学や国際交流プログラムの企画を軸にキャリア支援、ライフプランニング事業を展開。フォトグラファー&心理家としても活動中。大阪に写真ギャラリーあり。主に風景と人物を撮っています。撮影依頼気軽にどうぞ!
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