「ここがダメだよ日本」って思うことは色々ありますが、それを思い、憂うのは、やっぱり日本が好きだから。
いい国だよ、って思う気持ちが強いからこそ、「ここがダメだ」と思う点が良くなればいいのにと思ってしまうわけです。
今日の話題は日本のトレンディードラマがどうしても東京か神奈川でしか展開されない「なんでやねん」です。
歴代視聴率トップ10のドラマはどこが舞台?
1990年以降のテレビドラマで高視聴率を叩き出したドラマのトップ10は以下の通りです。
- 半沢直樹(2013)
- Beautiful Life(2000)
- 家政婦のミタ(2011)
- ひとつ屋根の下(1993)
- GOOD LUCK!!(2003)
- 家なき子(1993)
- HERO(2001)
- 101回目のプロポーズ(1991)
- ロングバケーション(1996)
- GTO(1998)
ガチガチの恋愛ものは「ビューティフルライフ」、「101回目のプロポーズ」、そして「ロングバケーション」の3つであとはヒューマンドラマ系の方が割合多いですが、それぞれの舞台はどこでしょうか?
- 半沢直樹:大阪(第一部)、東京(第二部)
- ビューティフルライフ:東京/神奈川
- 家政婦のミタ:不明(三田灯がよく行く遊園地は千葉市)
- ひとつ屋根の下:東京(杉並区に主人公の家)
- GOOD LUCK!!:成田空港(千葉)
- 家なき子:川崎市(すずの学校)
- HERO:東京(東京地検城西支部;架空の支部)
- 101回目のプロポーズ:東京
- ロングバケーション:東京(隅田川)
- GTO:東京
特別言及のある場合は少ないですが、登場人物がよく行く場所だったり、務める会社などで舞台の想定は可能です。
これをいる限り、千葉も混ざるものの、1の「半沢直樹」第一部以外は全て関東が話の舞台になっています。
*成田空港で勤める「GOOD LUCK!!」の主人公はもしかしたら東京都内に住んでいるかもしれないのと、「家政婦のミタ」で三田灯がよくいく遊園地が千葉にあるものだということから阿須田家も千葉かもしれませんが、よく出て来たシーンは都内でした。
アメリカのドラマは舞台が全国に散らばっている
アメリカのドラマを見てみるとどうでしょう?
歴代視聴率(数)ランキング
- ER(ER緊急救命室)
- FRIENDS(フレンズ)
- CSI(CSI:科学捜査班)
- DESPARATE HOUSEWIVES(デスパレートな妻たち)
- Dr. HOUSE(ドクター・ハウス)
- L Word(Lの世界)
- The WEST WING(ザ・ホワイトハウス)
- LOST
- HEROES
- 24 -Twenty Four-
日本人でも誰もが聞いたことのあるビッグネームが並びますが、それぞれの舞台はどこなのでしょうか?
- ER:シカゴ
- FRIENDS:ニューヨーク
- CSI:ラスベガス、ニューヨーク、マイアミ
- DESPARATE HOUSEWIVES:イーグル州という架空の州(シカゴを想定?)
- Dr. HOUSE:ニュージャージー州プリンスト)
- L World:ロサンゼルス
- The WEST WING:ホワイトハウス=ワシントンD.C.
- LOST:南太平洋の島(主人公はロサンゼルスの人)
- HEROES:ニューヨーク
- 24 -Twenty Four-:ロサンゼルス/ワシントンD.C.
ご覧の通り、聞いたことのある大都市に集中するものの、シカゴやニューヨーク、ロサンゼルスなど、各地に舞台が分散しているのがわかります。
なお、18位に入っている「ダークエンジェル」は近未来のシアトル、何位になるのかわかりませんが、「グレイズアナトミー」もシアトルが舞台です(イエイ)。
NYやLAと比べ小規模な地方都市シアトルも有名ドラマの舞台になるのがアメリカです。
東京至上主義にうんざり
前に「君の名は。」のレビューでも書きましたが、日本はなんでも東京がいいみたいなところがあって、それが正直に「ダメ」なところだと思っています。というよりも「うんざり」しているんですよ。
確かに現状東京には多くのものが集中しています。
首都(憲法上は違うけど)ですし、多くの有力企業が本社を東京に置いています。
最新のものはほとんどが東京から始まるというのが実情です。
しかし、だからと言って日本中の人が東京に憧れ、東京に住むことがかっこいいとか、成功のような認識になるようにメディア側から刺激している感じがあって、それが本当に嫌い。
アメリカではITのメッカ、シリコンバレーはサンフランシスコ郊外にありますし(Apple、Google、Facebookなどが本社を置く)、シリコンフォレストと呼ばれる第二のITエリアがシアトル〜シアトル郊外に広がっています(AmazonやMicrosoftの本社がある)。
飲食系では、コカコーラの本社はアトランタ、マクドナルドはイリノイ州オークブルック、KFCはもちろんケンタッキー州。スタバはご存知シアトルです。
製造業も、ボーイングはシカゴ(もともとシアトル郊外)、GM, FORDデトロイトあたり、GEはコネチカット州などなど。
アメリカの大手は本社が各地に散らばっています。
なんでこうも違うのか?
この点については今回の記事で書けるほど簡単な要因で起こっていることではない気がしますが、とにかく日本の東京一極集中化現象は、アメリカの状況に慣れている身としては異常で、ナンセンスにも見えます。したので新たに記事にまとめました。
- 大阪に本社がある企業をまとめてみた!やっぱり日本は、そうだよね
一極集中のデメリットは人口集中もありますが、仮に東京に地震がきたら日本が死ぬという危惧もあるし、過疎化が進むことは日本を国として見たときの失速に繋がる原因になり得るため促進したいことではないはずです。
日本でも「ヤマハ」(静岡)、「ファーストリテーリング」(ユニクロ・山口)、「任天堂」(京都)、など本社を地方都市に置いている大手もありますが、数はやっぱり少ないですね。
大阪にも「日本ハム」、「サントリー」、「日清食品」、「パナソニック」、「伊藤忠商事」、「カプコン」などなど調べてみるとそれなりに上場企業があることはわかります。
しかし、やっぱり国全体のイメージとして、「本社は東京でしょ」っていうのがあって、上記の様な地方都市に本社を置く会社を知ると、「意外」と思う人が多いはずです。
そういう状況そのものが、うんざりなんですね。
ドラマの話に戻すよ
本題に戻りましょう。
こんな感じで、ドラマでも「場所は東京でしょ」という感じが根付いていると思うのです。
地方都市が舞台になるのって、朝ドラか、2時間サスペンスか、大河ドラマくらいではないですかね?
そして、今回視聴率1位の「半沢直樹」にしたって、大阪編の時の主人公が務める銀行が「阪急百貨店梅田本店」を外観として使っているんです。
これって、関西の人からしたら、「は?」なんですよね。
だって、デパートとして見慣れている建物を銀行ってことでやるんですから当然です。
仮に国会議事堂の外観で、「東京首都国際大学」とか名前はなんでもいいけど東京の有名大学っぽい設定で使ったとすると、「え、あれは国会議事堂じゃない」となるはずです。
誰もが国会議事堂って知ってる外観だからね。
あの演出は、関西人がどう思うかを全く無視した関西人を馬鹿にしている様なやり方だと感じました(つまりメインターゲットは東京の人だから関西人がどう思うかはどうでもいい)が、ドラマにしたくなる様な物語が必ず東京を中心として起こっているというイメージの定着、そして定着させた製作者に「なんでやねん」と思う次第です。
まとめ
- 日本のドラマはほとんどが関東で起こっている
- アメリカのドラマは色々な場所で起こっている
- 日本の東京至上主義は滑稽なレベル
ドラマやテレビのイメージって強いと思います。
映画もそうですが、それを見て、ステマみたいな刷り込みをされるわけです。
東京が中心で、それ以外は「その他大勢」っていうね。
こういった一辺倒の偏った価値観が根付く、根付かされているから日本はダメなんだと常日頃思っています。
そんなんだから柔軟性のある考え方や、先進的で創造性豊かなものが生まれないのだと思います。
だって、東京に行けば「勝ち」っていうわかりやすくてたった一つの価値がそこに鎮座しているから。
ボクは日本では地元が大阪で、だから大阪で起業したというのはありますが、東京で始めるというオプションもあったのはありました。起業前に相談した人の半分以上はどうせなら東京で始めたら?と勧めてきました。
ただ、なぜ東京にオフィスを構えなければいけないのか?その答えを示せる人がいなかったのです。
大阪であれ、他の街であれ、そんなに困ることが見つからず、逆に東京にオフィスを持つ大きなメリットも見つからなかったのです。
ただ、「東京で起業したよ」と言えば成功者っぽいというだけなんです。成功している企業っぽいだけなんです。
ボクはだからこそ逆に、大阪で起業して、成功して、今回書いた様な「うんざり感」を解消してやりたくて今頑張っています。
東京の人も、それ以外の人も、一度日本が陥っている東京至上主義の悪い部分に目を向けて、考えて見てほしいなと思いこの記事にまとめました。何かの役に立てば幸いです。