ディズニーに買収後毎年本編→スピンオフ→本編とリリースされていくことが決まりファンにとっては嬉しい活発な展開を続けている「スター・ウォーズ」シリーズ。
昨年、2015年は10年ぶりの新作となる「エピソード7」がリリースとなり大きく盛り上がりましたた、今年はシリーズ初の実写スピンオフ作品となる「ローグ・ワン」が登場となり、また違った盛り上がりを見せています。
基本情報
題名:「ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー」(Rogue One: A Star Wars Story)
公開日:2016年12月16日(日本)
監督:ギャレス・エドワーズ
上映時間:134分
配給:ディズニー
https://starwars.disney.co.jp/movie/r1.html
初の実写スピンオフ映画!
シリーズ通しては初めての実写スピンオフ映画作品となった「ローグ・ワン」。
ストーリーは本編「エピソード3」と「エピソード4」の間に起こった出来事で、いうなれば、「エピソード3.9」。
「エピソード4」の冒頭に登場する惑星ひとつを破壊する究極破壊兵器「デス・スター」の設計図が如何にして帝国軍から盗み出されたのかを描くもの。
「エピソード4」は1974年に公開された映画で、実に40年以上経った今新たな発見が生まれるといった新作となっています。
ストーリー(あらすじ)
ジェダイなき後宇宙の支配のため勢力を強める帝国軍は惑星を吹き飛ばす威力を持つ究極破壊兵器「デス・スター」の建設を急いでいた。対抗する反乱軍は最大の脅威となる「デス・スター」の設計図を盗み出すというこれまでに類を見ない無謀かつ必死の作戦を企てる。
設計図奪還チームには設計リーダー、ゲイレン・アーソ(マッツ・ミケルセン)の娘、ジン・アーソ(フェリシティ・ジョーンズ)を筆頭に、反乱軍の情報将校・キャシアン(ディエゴ・ルナ)、かつてのジェダイ寺院の僧侶で盲目の戦士、チアルート(ドニー・イェン)、といったメンバーが集まり、極秘部隊「ローグ・ワン」が結成される。
反乱軍と数多の星の運命をかけた決死の作戦が始まる…!
前半駄作、後半傑作
多くのレビューで言われている通り、
「前半駄作、後半傑作」
というのが最もシンプルな感想かもしれません。
今作品はジェダイが登場せず、オープニングもいつもの流れる文字やBGMはありません。スピンオフではありますがあくまで本編とは別物という扱いです。
しかし、「エピソード3」でジェダイが駆逐された後、「エピソード4」へと続くサーガをつなぐ大事なエピソードを描くわけですからファンは楽しみにしていたに決まっています。
なのに、最初のダラダラした展開は「スターウォーズ」大ファンのボクも眠くなってしまったのが正直なところで、初めて登場する登場人物たちを把握するのに苦労しました。
「あーあ、やっぱりスピンオフ映画は面白くない感じになっちゃうんかな〜」とがっかりしていました。
しかし!
後半から製作者が総入れ替えになったのかと思うほど面白くなる後半!
おそらく「スターウォーズ」ファンでなくても楽しめるであろう神展開へと突入していくのです。一体何があったのでしょう…(´ε`;)
総合的な感想は、「あー面白かった!」
ファン補正があるかも知れませんが、前半のダラダラ間延びした展開で感じていたがっかり映画の予感なんのその、見終わっての感想は、「あー面白かった!」「もう一回見たい!」というものでした。
このブログではネタバレ要素は少なくしたいので詳しくは書きませんが、決死の作戦に身を投じた「ローグ・ワン」チームを中心とした反乱軍がこんな苦労をして手に入れたのが”あの”設計図だったのか!とわかり、「エピソード4」をソッコーで見たいとも思わせられました。
これまで多くのファンが口にしてきたであろう「なんでデス・スターってあんな簡単に破壊できたの?皇帝ってバカなの?」という疑問もこの「ローグ・ワン」を見たらスッキリ解決します。
ラストのラストにはサプライズ演出もあり、旧三部作のファンは胸熱でやばかったことと思います。
この作品にはジェダイが出ないわけですが、今作から感じたメッセージは、「スターウォーズ」で戦っていたのはジェダイだけじゃないんだ!というものでした。
確かに主人公のジンはフォースが強いという話もありましたし、首からはライトセーバーのパワーの源というカイバークリスタルをかけていますので、彼女はフォースに守られた、選ばれし戦士の一人だったのかも知れませんが、ジェダイの騎士以外が裏でこうした命がけの活躍をしてきた結果の「エピソード4」であり、「デス・スター」の撃破だったことはスーパーパワーを与えられたスーパーヒーローだけがカッコよく活躍するアメリカヒーロー映画にありがちな世界観とはまた違った感慨を与えられるものでした。
シリーズのファンでなくてもきっと楽しめる映画なので是非公開中に観に行って下さい!
ローグ・ワンの意味
ところで、題名にもなっている「ローグ・ワン」ってどういう意味なんでしょう?
作品のネタバレになってしまうかもですが、これは決死の作戦に挑むチーム(船)の名前で、
ある場面で元帝国軍のパイロットで同チームのパイロットになったボーディー・ルックがとっさに名付けます。
ROGUEの意味を辞書で見てみると、
動詞では「人を騙す」、「ペテンにかける」、名詞だと「悪党」、「ごろつき」、「悪漢」、「いたずらっ子」、形容詞だと「群れから離れた」、「(人が孤立して)自分勝手に行動する」、「面倒を起こす」
などといった意味が並んでいます。
どの意味で使っている言葉かわかりませんが、ちょっと一匹オオカミ風の人が集まった感じのチームにも見えますし、この命名シーンが帝国軍を騙そうという場面なので「人を騙す」という意味で使ったのかも知れないですね。
どちらにしても、その後に「ONE」とつけたのがポイントかなーっと思っていて、今回の作戦で自分たちが生きて戻れるかわからないが、これは壮大な作戦の序章であり、自分たちが礎となり未来を開くんだというメッセージを感じます。
残念ながらこの後「ローグ・ツー」や「ローグ・スリー」は登場しませんが、「エピソード4」からの旧三部作内では中隊が「ローグ中隊」と呼ばれるなど名残があります。
彼らの決死の作戦が実を結び、帝国軍へ対抗する道を作りました。
続編などはないスピンオフですが、一つの完結物として十分な見応えがある作品で、しっかり「エピソード3」と「エピソード4」を繋いでいます。
来年の「エピソード8」もますます楽しみになるとともに、旧作品をもう一度じっくり見直したくなる素晴らしい作品でした!