説明不要の大人気ライトウェイトオープンカー、四代目MAZDA「ロードスター」。
念のためどれくらい人気かをこういう風に説明したらわかりやすいかな?と思うのが、Amazonで見つけられるムック本の多さ!だいたい人気車種でも3種類出てたら「おぉ〜」となる感じのところ、「一体何冊あるんや!」思わせる数!本当に驚きますよ。
MoKuJi
こんなにいっぱい!
さっと探しただけで、7冊もありました!
そんな「ロードスター」ですが、ライトウェイトを実現するソフトトップモデルに加え、新たにハードトップモデルが登場することになり大きな話題となっていて、今日はその、「ロードスターRF」の先行お披露目会的イベントが開かれていたのでスカイビルにあるマツダブランドスペース大阪に行ってきました!
魂動デザイン光る「ロードスター」
今のMAZDAは「魂動デザイン」というテーマのもと全車種デザインされていて、この四代目「ロードスター」もまさにそのテーマにぴったりの凄まじくかっこいいデザインとなっています。
特に「ソウルレッドプレミアムメタリック」が今のMAZDAが勝負色としている色で、「ロードスター」とのマッチングがかなりヤバいのですが、今回先行展示された「RF」ではMAZDAの”匠塗”シリーズ第二弾として登場した、「マシーングレープレミアムメタリック」が”推し”色となっています。
色は好みもあるとは思いますが、MAZDAのデザイナーは色も含めてデザインしている様で、そちらの主張については、こちらのページで紹介されています。
クルマは、単なる鉄の塊ではありません。それは「命あるもの」だとマツダは考えます。
ドライバーとクルマの関係を、まるで愛馬と心を通わせるかのように、エモーショナルなものにする。
そのための造形を追い求めつづけるのが、マツダの「魂動デザイン」です。
らしいです。
何にしてもこの「魂動デザイン」はとってもカッコよくて、展示会と合わせて開かれたトークライブでもたくさんデザインへのこだわりにまつわるお話が聞けました。
こだわり抜いたハードトップ
ロードスター RFの開発は、ロードスターの魅力を深め、拡げる新たな挑戦の始まりでもありました。
クローズド時の美しいスタイルとオープン時の爽快なオープンエアフィールを両立し、誰もの心にあるスポーツカーの姿を素直に体現した美しいファストバックスタイルと、リアルーフによって得られるこれまでにない新しいオープンエア感覚。
そして、キャビンで実感する上質さ・静かさ、さらには、クローズとオープンがスマートに切り替わる一連の所作の美しさなど、このクルマと過ごすすべてのシーンで想像を超える感動をお届けします。(公式ページより)
ロードスターがソフトトップである理由は、軽量であることを優先するからだそうですが、今回登場するハードトップにはハードトップへ込められた想いがある様で、その開発にはたくさんのこだわりがありました。
ルーフの開閉シーン。YouTubeなどで動画は嫌ってほど出てくると思いますが、例えばこの13秒で開閉する屋根についても、より複雑な機構になることがわかっていながらも、トップ部分が完全に締まりきる前にファストバック部が締まり始めることで、
「全体の”流れ”が美しくなる」
という完全に美しさを優先させた設計になっている話だったりとか、締まりきるまでの流れで、最後の方でスピードが緩み、そぉっと閉まる様に設定されていることもこだわった点だそうです。
これについては固有名詞こそ出ませんでしたが、「他社の同様スタイルの車ではバタンと大きな音がする」的なことを話していて、「そういう無粋な車造りとウチは違う」というメッセージを感じました。
トークライブで話を聞いた人だけわかる、この写真から見て取れるたくさんのこだわり。
その一つが、手前、Bピラー部後方に”詰まった”開閉用の機構。どの話も「はぁーー」と低い感嘆の音しか出せない深い話でしたが、デザイナーと技術者の熱い想いを伴った協業でこの美しい形、動きが実現しているのだと「深イイレバー」を100回でも押したい様な素晴らしい話が聞けました。
「ロードスターRF」開発担当者である中山氏(主査)が指差しながら熱く語っていた数々のこだわり。
賛否両論ある、”残る”屋根=ファストバックスタイルについても、車をでかくすることなく、荷台を犠牲にすることもなく、ということを両立するために導き出した結果だそうで、ただ、”残さなくてはならない”ではなく、逆転の発想として、”残されたファストバックスタイルが逆にかっこいい様な”デザインをしたらしい。
そして、その、かっこいいスタイルを実現するために生まれたこの曲線を含めたトランク用切れ込みは、その実現のためにやはりパーツが増え、複雑な構造になったらしく、美しさ優先のためにエンジニアがめちゃくちゃ頑張った話が聞けました。すごいですね。
初代iPhoneを開発中、エンジニアが「もうこれ以上小さくなりません」と言った時に、当時のアップル社CEOスティーブ・ジョブズが、そのプロトタイプをコップに沈め、泡が出てきたのを指して、「ほら、まだ空気が入る隙間があるじゃないか」と言った話は有名ですが、この車の開発中にも似た様なデザイナーとエンジニアの攻防があったのだろうな、と想像してしまいました。
正直ボクも、「全部屋根が消える」方がオープンカーらしいと思ってしまっていて、開いた状態がちょっと微妙に感じていましたが、話を聞けば聞くほど、そこにあるこだわりに惚れ入ってしまって、外観のパッと見の先入観ではなく、早く実車に試乗して見たい!と思わせられました。
開閉時、メーター部分にこうして実際の動きと連動した絵が出るのも手動タイプのソフトトップとの違いです。
でも、屋根ロックの機構はおそらくソフトトップと同じ。ソフトトップはカコっとはめ込むのは手動で、こちらは電動ですが。
屋根だけじゃない、どこから見ても惚れ惚れなデザイン!
「マシーングレープレミアムメタリック」が推し色な理由の一つに、閉じた状態での”塊感”があるらしく、この色は、鉄感を追求した色で、その「塊」を印象づけるという方向に実によくマッチする色なんだそうです。
屋根以外の多くの部分はソフトトップ版と同じですが、プロジェクトマネージャーの山本氏曰く、「全く違った部品に見える」のがこのスペシャルな色だそうで、確かに屋根の違いだけなのに、違う車に見えます。
開発陣が「この車が一番美しく見える角度」と紹介していたのがこの写真のアングルで、ソフトトップとは違う、ハードトップならではの流れる様なルーフラインがよくわかる角度です。確かにうっとりするスタイリング。
ちなみに屋根はボディ色と同じがデフォルトで、上写真の様に黒くできるツートンはオプションです。
オプション費用をかけてまでブラックにする狙いとしては、閉じている時にもオープン時に近い印象に見えるというものがあるらしいです。
これも好みの問題ですが、閉じた時に「クーぺ」的に見せたい人はモノトーン、閉じている時も「オープン感」が大事という人はツートンを選ぶ感じで思ったらいいという話でした。
ボンネットはデザイン的には全く同じですが、デザインをシンプルに感じさせる効果として、このボンネット部の切れ込みラインと、先ほどのトランクルームの切れ込みを揃えているらしく、「そんなところにまでこだわりがあるのかああああ」と思わせられます。
余して乗る、それが「RF」!
ソフトトップ版は1.5Lエンジンを搭載していますが、こちらの「RF」は2.0Lエンジンにパワーアップしています。1.5Lエンジンは最高出力131馬力なのに対して、2.0Lエンジンは158馬力とわずかですが確実にパワーが強くなっています。これはもちろん車重増に対するものですが、聞いて見ると、それぞれの乗り方の想定が違うらしいのです。
ソフトトップロードスターは、「全部使い切って」乗ることが想定されているらしく、正に”人馬一体”でお尻から突き上げるパワーを感じながらギュイーーーンとした加速で楽しむ乗り物なのに対し、「RF」は、少し余裕を持って、パワーを余して優雅に乗って欲しいとのこと。
なるほど、これも試乗して比べてみないとわからない話だ。
これに合わせて推奨トランスミッションも、ソフトトップではMT、「RF」ではATになるということ。確かに、優雅に乗るのなら細かく休みないミッションカコカコは余計かも知れない。
いやいや、開発者と話ができると本当に興味深い話が聞けるものです。
基本的な室内装備、レイアウトは同じ。だけど座って見るとやっぱり、(プラシーボー的な何かかも知れないですが)”守られている感”がありました。そう、ソフトトップはやっぱりどこか、これって横転したら怖いな、とかいう守備力的な面での懸念をどうしても持ちつつ乗っているのかも知れませんが、ハードトップではその点においては心強く感じるのだと思います。
とにかくかっこいい最近のMAZDA
さてさて。
ということで、車に全然詳しくないけど、かっこいい、美しいもの、新しいものが大好きなボクが見てきた今最も注目の車のひとつである「ロードスターRF」ですが、どうでしょう?きっと多くの人がかっこいい、美しいという点では文句ないでしょう。
部屋に無駄に空間を用意できる身分なら、走るためだけではなく、”飾り”として所有したいという欲も刺激される美しすぎる造形美を感じるロードスター。
ボクは前に違う記事で紹介しましたが、プジョーのデザインが大好きで、どちらかというとTOYOTAやホンダ、日産のデザインはあまり好きじゃありません。外車=かっこいいっていう程でもないですが、国産大衆ブランドはやっぱりどこか広い層を意識した保守的で当たり障りのないデザインに感じてしまいます。
ですが、MAZDAの「魂動デザイン」は多くの国産メーカーやたくさんの海外メーカーの車デザインと比べて実にかっこいいと感じています。
所有欲を駆り立て、走る喜びもハンパない。機能美と芸術美を兼ね備えた実に素晴らしいプロダクトだと感じました。
ただ、どうしても「実用性」の薄さだけはあって、2人しか乗れないことや、荷物がそんなに載せられないことなど、本当に購入を検討し始めたらぶつかる懸念材料は少なくありません。
それでも、しかし、一度でいいから所有してみたいと感じさせる美しさ、走りの楽しさがあるのが「ロードスター」だと思っていて、12月22日(金)に始まる予定の試乗機会に是非乗ってみて、次の車の候補に入れていいのかを本気で考えたいと思わせられた、そんな展示会・トークライブでした。
まあ、理想を言えば、中型サイズのSUVと、この車の2つを持てたら最高なんですけどね(笑)。また試乗できたら何か書きます。
パンフレット画像
最後にパンフレットももらったので少し載せておきます。
車のパンフレットとして「後ろ姿」が表紙というのは珍しいかも知れません。
トークライブで「この角度が一番かっこいい」と話が出ていた斜め後ろからのショットなのは開発者の意向でしょうか。かっこいいですね。
1ページ開くとフロントフェイスが。「Be a driver」の大きな文字も印象的。ロケ地はどこでしょうね?ニューヨーク?
日本用のパンフレットなのに写真が海外なのが「国産車のパンフレットなのに、、、」と思ってしまいましたが、かっこいいのはかっこいいです。
セールスカラーは「マシーングレー」ですが、「ソウルレッド」もやっぱりかっこいいですね。ソフトトップと違い赤率が高いのでスポーツクーペ感が増しています。
6色展開ですね。トークライブでは「イエロー」への要望が結構あるという話が出ましたが、でも「そんなに売れない」ことを理由に「もう少し待って欲しい」ということでした。ザ・スポーツカーな黄色がいつか出るのかも知れないですね。