そんな中、混乱を続ける学校現場で、「9月入学」、「学年期間の意向」が論ぜられる展開になっています。
アメリカをはじめ多くの欧米諸国が9月からの学年開始を採用していることから、”グローバル化”の一環として元から話し合われることもあって話ですが、新型コロナの影響で教育格差や教育の遅れが起こる状況下で、無理な休校解除を目指すのではなく、新しい考え方として急に湧いて出てきた話。
今、抜群のリーダーシップで注目を集める吉村大阪府知事をはじめ、多くの人が導入を進めたいと発言していて注目されています。
なんか難しそうな話やなぁ
まあとりあえず概要を説明しますがな
2020年2月27日、安倍晋三首相が「全国一斉休校」を要請。多くの学校が3月初旬から早めの春休みとなるような形で登校、授業、部活動等々がなしになり、同時期に予定されていた卒業式などがキャンセル、もしくは規模縮小となりました。
その後、4月7日に緊急事態宣言が発令されると、一旦はゴールデンウィーク終了までの間休校期間が延長(のちにさらに延長)されました。これに伴い入学式や始業式はもちろん、各種学校行事が中止になり、そんな中である高校生のSNS上の発言がきっかけで沸き起こった話です。
同高校生がツイートしたものが拡散され、大阪では高校生たちによる署名活動も起こるなど急速に拡大。それをメディアも大きく捉える形で周知の話題となりました。
4月末ごろには東京の小池知事も全国知事会で賛同を表明、他の知事の中からも多数の賛同的意見が見られる流れに。
これを受け、様々な議論が始まりました。
なるほど(?)
メリットとデメリット
さて、では、9月始まりにするメリットや、デメリット、なぜそういう話が議論されるかについてです。
議論されるわけだから、もちろんメリット・デメリットがあるわけですよ
そりゃそうや
メリット
- コロナ完全終息を前に急いで学校再開を目指さなくていい
- 休校で失われた時間をゆっくり取り戻せる
- 多くの諸外国と年度が揃う
- 入試時期が風邪やインフルが多い冬季からズラせる
- 一番長い長期休みである夏休みを学年の区切りにできる
一番大きなメリットは、コロナ蔓延で中断が続く学校教育が、9月までゆっくり再開を目指せる点です。日本の現状では、4月〜7月後半まではGWを除いてずっと学校がありますので、なるべく早く学校を再開しなければどんどん教育が止まるという焦りが教育現場にあり、また、中3、高3は受験に備えるための時間が削られるという不安がある点を解消できる期待があります。
9月入学についてはグローバル化の観点からかねてより議論されることもあったようですが、課題が多く決定的な前進がありませんでした。一方で、このコロナ状況ではいくつかの課題がクリアできることと、現役学生の抱える問題を解決できるという目線から進めようという声が上がっています。
ふむふむ(多分わかった)
デメリット
- とにかく面倒なことが多い(手続きでもなんでも)
- 実施には莫大な予算が必要
- 国の年度との差が残る
- 以降の影響を受ける層が偏る
- そもそも法改正が必要
などなどがデメリットとしてあげられています。
中でも大きな課題はやっぱり、法改正含め、制度やルールを作るのに膨大な労力や時間が必要だろうということ。確かに9月入学にするメリットが多いのは納得できる点は多いですが、この、法律を変えたり制度を変えたりするという大変さは割と大きなハードルです。
Leoは反対派
さて、やっと本題。
ボクは9月入学に反対という話です。
反対なんやね。なんでや?
1. このバタバタの中話すことじゃない
ボクが反対だと思う理由はいくつかありますが、まず第一に、
このコロナ禍で放っておいても解決するべき課題が山済みである今、こんなに大きな話を議論する余裕がない、と思うからです。
確かに、今の高3からしたら受験に向けて不安いっぱいだと思いますし、受験でなくて就職予定だった人も同じく不安が多いこと、めっちゃ理解します。
しかし、高校3年生を救済するという目的で5ヶ月学年を移動させたら、今度は未就学児(小学生になる直前の子供)にしわ寄せが来ます。待機児童の問題がずっと解決しない日本の現状を考えたら、幼稚園や保育所が足りないという問題もチラチラ見えます。
そうなると、高3と未就学児(と恐らくその保護者)のどちらを取るのか?(優先させるのか)という議論に発展します。
2. 前から議論され続けるも実現していない
第二に、これまでこの議論は何度となく沸き起こっては、立ち消え、を繰り返してきた歴史があります。なんなら元々旧帝大は9月入学だった時代があり、わざわざ4月始まりに変更したという歴史もあるらしいです。それを考えると、これまで何度議論されても結局9月始まりにしなかった(できなかった)十分な理由があるはずだと思うからです。
3. そこまでメリットが実はない
最後に、9月始まりになって、世界と揃うことにメリットを感じるかどうかです。例えば海外留学を考える人にとってはメリットあるかも知れません。しかし、よぉく見てみて欲しいです。ボクの見方がおかしいのかも知れませんが、ボクにはそんなに大きなメリットがあるようには見えません。
テレビで見るアンケートでは主に高校生の賛成が多いようですが、保護者視点での反対の声が多いことが見えます。
メリットの部分だけを見ると得する人、助かる子供が見え隠れしますが、一方で、高校、大学卒業後の日本国内での就職を考えると会計年度とのズレや、制度導入に関する莫大な予算がかかることなど、マイナス要素の方が目立って見えます。それらデメリット、労力、費用などを机の上にバーーンと並べたら、果たして一体メリットってそんなに多いのかな?と感じるわけです。
なーるほどねぇ(ほぼわかったはず)
まとめ
と、いうことで、めっちゃ簡単な書き方になりましたが、今、急に沸き起こり、そしてちょっとしたブームのように議論されているこの話題ですが、ボクも尊敬している吉村知事をはじめ、多くの自治体の長が進めたい意向を表明していて、国も議論として取り上げそうな今、ちょっと戸惑っているので記事にしてみました。
松井大阪市長はむしろこのタイミングだからこそ議論し、実行するべきと発言していますね。確かに、こうして教育が止まっているタイミングだからこそ「やれるタイミングがあるなら今」というイメージはわかります。
ただ、やっぱり、国民の多くが苦しい状況に立たされ、元からバタバタしていて、教育も遅れて、部活動が潰れて、大会が消えて、
「今何年生だったら一番マシなんだろう?」
なんて話題すら飛び交う今、これだけ大きな改革を話し合うだけでも、
「他にもっとやることあるのでは?」
という風に思ってしまうのがボクの感想です。
ある高校生の声ですが、
「え、もし9月入学になるんだったら入試って8月??じゃあ私、8月まで受験生続けるの???」
って言ってました。
この声、これこそがリアルだとボクは思います。例えば塾に通っているなら、5ヶ月余計に通います。その費用は?今年の3月の時点で「こっから1年、禁欲で頑張るよ!」と覚悟決めた高校生が、「え、5ヶ月も延長?」となる気持ち、そこをもっとみて、国や文科省など関連するところの皆さんは慎重に考えてもらえたらな、って思いました。
最後に、
精神論ですけど、、、
やっぱり「さーくら咲いたら一年生〜〜♬」が日本の美徳、いいところじゃないかなって思うんですよね。古いのかな。こういう、変わらないことってやっぱり大事なんじゃないかなって、そう思うのでした。
以上。
あなたの想いは割とわかったよ
おセンチさんだね
あはは、そうですよ