定額制動画サービスの「NETFLIX」オリジナルムービーとして初のアメリカ版として登場した「Death Note」(デスノート)。
日本人なら誰もが知る漫画、アニメ、実写映画とヒットを重ねた人気ストーリーですが、初のアメリカ版の舞台がなんとシアトルだったこともあって個人的に大注目していましたが、まさかの大失敗作に出来上がっており、原作ファンから失望の声が続出するという展開になっています!!!
MoKuJi
デスノートとは?
今回のレビューの前に簡単なおさらい。
世界で3,000万部を超える大ヒットとなった週刊少年ジャンプで連載されていた漫画が原作。
デスノートの魅力は何と言ってもその”ノートに名前を書くだけで人が殺せる”という力と、その超常現象的力を知らぬまま(ノートによって行われている)謎の大量殺人犯”キラ”を追う探偵”L(エル)”の心理戦にあります。
原作でもいくつか、ツッコミポイントはありますが、読むものを引き込んで行く心理戦はとても面白く、日本の漫画ならではの魅力でもありました。
また、実写映画化された時も、藤原竜也演じる八神ライトと松山ケンイチ演じるLが好演し、原作ファンからも認められる名作となりました(その後最近放送されたドラマ版はイマイチ)。
NETFLIX版ってどんな感じ?
そんな人気コンテンツをいつもの”ハリウッド実写版”ではなく、NETFLIXオリジナルムービーとしてアメリカ版にしたわけですが、世界中から批判のレビューが相次いでいます。
予告動画
予告だけ見るとまあまあ期待感も湧いたんですけどね・・・・。
あらすじ
死神が落としたノートを駆使し、悪人を葬り去る闇の存在となったライト・ターナー(ナット・ウルフ)。だが謎の名探偵L(キース・スタンフィールド)、そして1人の同級生の存在が、その運命を大きく変えていく。
(Netflix公式より)
あらすじだけ見ると原作とそこまで変わらない印象なのですが、、、以下、ネタバレ大丈夫な方のみ、ボクの感想をご覧ください。
レビュー:Leo的がっかりした5つのポイント
世間の評価にもれず、ボクも大変がっかりしました。
原作の大ファンというわけではありませんでしたが、1. 舞台がシアトルであること、2. 豊富な資金を有するNetflixが本気で映像化したらどうなるか期待していたこと、この2点があったこともあり、大変失望しました。
では、ダメだったと思うポイントを●点、紹介します。
1. 主人公が普通にイケてない
どんな作品でもそうですが、主人公がかっこいいことは大事です。仮に最初ヘタレに見えても、やるときはやるキャラ(ドラえもんでののび太など)であったり、多くのヒーローものでそうであるように、他を凌駕する力を持っていたり、、、。原作の夜神月も秀才頭脳派でありながら、”キラ”という神になるに相応しい存在感を有するキャラで、悪のヒーローでありつつも多くのファンがつきました。
一方、Netflix版の主人公、ライト・ターナーは、普通にヘタレ。
まず、最初にリュークが登場するシーンでは「助けて、助けて」と泣き叫ぶところから始まるんですから、原作での死神にも動じない、死神と対等に渡り歩く存在感は最初っからありません。
悪人を裁く(殺す)ことに躊躇はないものの、要所要所でヘタレ具合を発揮、見ていて「これは一体誰だ」と声に出して言ってしまいそうなくらい辛い状況でした。
2. Lがダークで、しかも暴走
人種差別ではありません。しかし、L役が黒人で、全身真っ黒な服を着ている様が、常にダークでした。
天才肌で、常に正義中の正義でありながらも、手段を選ばない時もある、そこに人間味があるのが原作Lの魅力です。そして、正義を象徴するかの様に白いシャツをラフに着ているのがアイコンでしたが、上の一面はスターウォーズのダークサイドに落ちたシスの様。
考察力があり、冷静で、無駄のない動きがLの特徴でしたが、Netflix版では後半、暴走します。暴走とは、急にパトカーをパクり、死人が出たであろう無茶な運転でライトを追いかけ、しかも変な銃で発砲もします。そして明確に描がかれませんでしたが、最後、ライトを殺すためにデスノートに名前を書きます。
原作では命をかけて正義を貫き、最後「私は正しかった」と満足(?)するまさにLらしい死に様を見せたのを知るファンは、怒っているでしょう。
3. 心理戦が全然ない
デスノート最大の魅力は、”キラ”をあぶり出そうとするLと、Lの名前を知り、殺そうとする夜神月の心理戦です。
たまーーーーに、「え、あほ?」という場面もあったものの、総じて素晴らしい心理戦が繰り広げられた漫画、日本実写映画版とはかけ離れて、ほぼほぼ存在しない心理戦にファンはがっかりしています。
4. 無駄な日本登場とそのニセモノ感
原作へのアプリシエーションでしょうか?
舞台がアメリカになった代わりに、3. でも書いた幼稚な心理戦の一部としてライトが最初に、「自分は日本にいる」と思わせる作戦として、日本人犯罪者を裁いたり、そのとき謎の日本語を書かせるなどをします。
それらの場面描写として日本が登場しますが、東京スカイツリー含む空撮場面以外が、80, 90年代あたりのアメリカ映画で描かれた「え、これは、、、違う」ってなる様な日本の映像なんですよね。
無駄に日本を出すにしても時間にして数分なんだから、日本ロケするなり、もーちょっとマシな映像を用意するべきでした。なんせ、デスノートなら日本人もいっぱい見るはずなんですからね。
5. シアトルはこんなところじゃない
最後に、地元シアトルについてですが、シアトル民は納得したんでしょうか?
色々ありましたが、いくつか「おいおい」という点があったのでまとめます。
まず、チアリーダーが練習中に校内でタバコを吸っている生徒がいます(ヒロイン)が、こんな光景は少なくともシアトル学区ではあり得ないと思います。日本語字幕では訳されませんでしたが、「North Seattle」のどこかに主人公が通う学校があると推測される音声がありましたが、シアトル北部は裕福だし、治安も良く、もちろん不良や喫煙する学生はいますが、校内で、あんなに堂々とタバコを吸う姿はまあ見かけません。
次に、ライトの家ですが、何の意味がある演出か知りませんが、なぜか家のすぐ近くに結構速い列車が走っています。
こんなスピードで走り抜ける電車が走っているイメージはシアトルにはないんですけど、、、ボクが知らないだけでしょうか、、、?演出の必要性合わせ、よくわからない。
続いて、何度も登場する大観覧車。最後には崩壊し、印象的なシーンを作りますが、あれがある桟橋その全てが違います。
これ、どこの桟橋なんだろ本当は、、、背景のダウンタウンは合ってます、右に見えるCentryLink Stadiumもあります。
これが本物(出典: 公式サイト)です。桟橋の大きさや、その上に屋台規模の店ではなく結構大きな建物が乗っかっていることがわかると思います。
これは逆の角度からの映像。こんなとこ、シアトルにはありません。。これ本当、撮影どこなんだろ。
最後に、「とりあえず雨降ときゃシアトルっぽいっしょ」的なのがやだ!シアトルの雨はあんな重くないんだぜ!
要所要所で雨が降っていますが、シアトルの雨はね、なんかね、もうちょっと優しいの。ミストのもう少し重いっぽいやつ。わかる?シアトル民は、違和感覚えてると思います。
ということで、ボクの思い違いでなければ、シアトル民はみんな、「いやいや、シアトルこんな場所じゃないよっww」ってなってるはずなんですが、どうなんでしょう?
まとめ
以上、酷評が響き渡るアメリカ版デスノートのお話でした。
こんなのでも、「ホラーコメディとして見たら楽しいよ」という声が出ていたり、人によっては続編を求める人もいるみたいなので、100%バッドレビューってこともないみたいですが、概ねダメ評価で、原作ファンは怒っていたり、落胆しています。
ボクは、日本も、シアトルもよく知る立場として、より複雑な心境になってしまいましたが、期待していた分も含めかなりがっかりしたので早速レビュー記事にしました。気に入った方はごめんなさい!
とりあえず、日本の実写映画版を久しぶりに見てみようかな!と思いました。以上!