バイデン候補が当選確実となった件について

こんにちは。アメリカ人歴もうすぐ40年のLeoです。

ボクが初めて大統領選挙に投票したのは2008年のバラク・オバマ大統領が立候補したあの歴史的選挙でした。

当時は若い世代が選挙スタッフにたくさん参加するムーブメントがあったため同世代の友人知人もかなり熱心にキャンペーンに参加しており、選挙へのプッシュもたくさん受けました。

偉大なオバマ大統領とその次

わざわざ説明する必要もありませんが、日本は政党を選び、政党から首長が選出される方式ですが、アメリカは直接選挙制、つまり選挙権のあるすべての国民が直接「あなたを大統領にしたい」という意思で投票できます。

あの当時の(少なくともシアトル界隈の)熱気は凄まじかったのを覚えています。

オバマという革命

当確が出たとき、ボクは日本食レストランでバイト中だったのですが、その時いたお客さん(日系アメリカ人)に、

「歴史が変わったよ、次の大統領は君かも知れない!」

と握手されたのを今でも鮮明に覚えています。

それまでの200年以上の国の歴史の中で白人しか大統領の地位に座ることがなかった世界が、一夜にして一変したのは本当にセンセーショナルでしたよね。

オバマ大統領の評価自体は自分の職業や立場、もしかしたら性別や人種などによって意識は変わると思いますが、ボクは広島来訪を始め、とても素晴らしい大統領だったと認識しており、彼が8年の任期を終えるときとても残念な気持ち(3期もやってくれ)でした。

トランプという爆弾

その後、女性スキャンダルもあったけど基本的にはリスペクトされる対象であるクリントン大統領の奥様、ヒラリー候補が出馬しました。

初の黒人大統領、の次は初の女性大統領、というのは流れとして妥当っぽかったものの、オバマが候補だった時ほどの革命的な熱は感じなかったし、なんなら女性票ですら引っ張れていなかった残念な結果でした。

オバマが始めた改革を引き継ぐため、あのままバイデン副大統領が出馬で良かったと思った人は多いのではないかと思います。

が、

突然湧いたトランプ氏の立候補は逆に、「え、まじで?」という驚きや、ある意味”ネタ”的な扱いで話題となり、あれよあれよという間に気づいたら正式な党の候補者に上り詰めていました。

これも広いアメリカですから地域や立場によって違ったでしょうが、民主党地盤のシアトルや西海岸出身の友人が多いボクの周りでは、出馬表明当初からネタ的で、英語でいうと「It’s a joke」的な認識でずっと笑っていました。

が、どんどん候補としてのし上がっていく中で「Is it serious??」という感じで不安に変わりつつあったのを覚えています。

そして選挙の日、「もしかしたらやばい」と感じた友人知人たちから「まさか隠れトランプじゃないよね」的なメッセージが入ったりもしました。しかし結局トランプが勝利するという結果に。

恐ろしい時代が始まりました。

少なくともボクや周りの人の認識では。

嵐の4年が過ぎ、、、

オバマ大統領の政策の多くがトランプによって覆されましたが、一方でアメリカ経済は良くなっていったという見方をする人も少なくなく、結果として国民にとって2016年の選挙は良かったのか、悪かったのか、わからない状況です。

しかし、

「America first」

と叫び続けたトランプとその政権は多くの人にとって害となったという見方がおそらく正しく、”ビジネスマン”としての手腕と、”国家元首”としての資質はリンクしなかった部分も多いはずです。

トランプの評価は繰り返す通り、立場や人種、職業などにより違ってくると思います。共和党寄りの業界はトランプにより潤い、女性やマイノリティー、外国人は迫害を受けました。(とっても平たくいうと)

ただ、選挙結果を見ると、トランプの4年を評価し、継続を希望する人が国の半分に近い数存在する可能性を感じさせ、アメリカが分断されたと言っても過言ではない状態でもあります。

バイデンの役割

間も無く78歳を迎える恒例の元副大統領が大統領を目指したのはなぜか?

4年前、トランプが大統領になると決まった瞬間から民主党は妥当トランプが叶う候補選びに忙しくなったわけですが、過去最多とも言える立候補者の中から生き残ったのが元副大統領だったことは、

逆に言うと、この人くらいしかいなかったと言うこともできます。

オバマの時のように40代でパワフルで何かを変えてくれそうな期待を持たせるニューウェーブではなく、「安定」とか「安心」が求められた印象も受けています。

それらのことを総合して考えた時、ジョー・バイデン次期大統領に求められるものは、きっと「修復」ではないかと思います

オバマ前大統領が進めたものが一度トランプにより破壊されてしまいました。

それを民主党やオバマとしては「直したい」考えではないかと思います。

おそらく、78歳で大統領となるバイデン氏は2期目を現実的な目で見ていません。

82歳が年老い過ぎとは言いませんが、もし2期やるとなると、86歳まで頑張ることになります。政権を支える多くの人、そして国民に不安がないわけではないでしょう。

人間の寿命が長くなり、医療も進んだとはいえ、過去最高齢での大統領就任となる(現時点ではトランプの70歳が最高)のが現実であり、また8歳も年齢を更新するわけですから、いろんな人がいろいろ考えるし、本人も考えていて当然です。

となると、4年後の選挙では、副大統領となるハリス次期副大統領が民主党の代表として立候補する可能性が十分あり、それが叶うと、初の女性副大統領から初の女性大統領へと一気に時代が動く流れが生まれます。

それでなくても、アメリカ国憲法修正第25条によって、バイデン次期大統領が何らかの理由で執務を続けられない場合にハリス氏が大統領に繰り上げとなる可能性も考えられます。日本では菅さんが安倍さんを引き継ぎましたが、バイデン氏が安倍さんのように健康理由で辞任ということになった場合アメリカの法律では副大統領が引き継ぐことが決まっています

そう考えると、

バイデン氏はオバマ大統領時代のナンバー2ですから、オバマ大統領が8年かけて築き上げたものを再度「修復」し、4年後、初の女性大統領として備えるハリス氏に引き継ぐ計算があるのではないか、ということです。

コロナ禍〜今後の展望

ファイザーが頑張ってるとかなんとかいうニュースもありますが、アメリカでは依然感染者が増え続け、死者数も日本の状況とは桁が違います。

そんな中での大統領就任となる78歳はアメリカと世界をどう導くのか?ですが、

先ほど書いた通り、選挙結果だけを見ると、アメリカは分断されています。

コロナ禍、GAFAのうちアップル以外が収益を伸ばしていて、世界中が苦しんでいるはずの状況下で逆にIT王者たちは稼ぎまくっているのが現状です。

これはつまり、アメリカ最大の問題である貧富の差を広げる状況であり、

今後の政権運営に大きな課題としてのしかかります。

「修復」と「前進」ともに進めたいだろうバイデン次期大統領ですが、

まずは、オバマ時代の復活と、ビフォーコロナまでの復活という2つの復活(修復)が大きな課題で、国のお金もたくさん使わなければなりません。

また、もしかしたらトランプ氏の訴訟とかとも付き合わなければならないのでしんどい大統領生活になるかも知れません。

シアトル生まれ、大阪育ち。6年前に独立・起業しましたが、コロナ禍で事業が大ダメージを受け、人生の方向転換に悪戦苦闘の日々です!とにかく、「ワクワク」に満ちた毎日を目指してできることから地道に頑張っています〜!