こんにちは!シアトル生まれで、当然マリナーズファンのボクです!
今日は、今月になってからエグすぎる好調っぷりのシアトル・マリナーズに関しての記事を書きますよ!
今回はですね、年間162試合というタフな日程をこなすMLBにおいてローテーションを維持することは簡単ではない中、稀に見る安定的で、そしてワクワクする投手陣を並べている我が軍のローテを紹介させてくれよ!ってお話です。
MoKuJi
先発ローテは5人!
残念なことに、大谷翔平選手が下手すりゃ2回目のTJ(トミー・ジョン)手術の可能性もあるという話で、今シーズンもう投げないというニュースが飛び込みましたね。日本の多くのファンが悲しんだでしょうし、アメリカの野球ファンもそこは同様だと思います。
エース級が離脱!
多ければ一試合100球以上投げる先発投手の負担は軽くありませんから、どこのチームも開幕時と同じ先発ローテでシーズンを終えることはそうそう叶いません。マリナーズも、エース左腕として期待されていたRobbie Ray(ロビー・レイ)がTJ行きとなり開幕早々離脱(昨年の成績は12勝12敗と2021年の記録からは落ちていた)、2019年の東京ドームでの開幕戦から、2020年、2021年と3年連続で開幕投手を務めていた元エースのMarco Gonzales(マルコ・ゴンザレス)も10登板の後、4勝1敗と勝ち先行ながら今季は終了しています。
マリナーズ投手陣の成績
そんなマリナーズの先発投手陣の今日時点での成績から紹介していきましょう。
ERA(防御率)
ランキング上位に名を連ねるのは3名。エースCastilloから若手のホープ2人!現時点でマリナーズに防御率2点台の投手はいませんが、続きの成績も見ていくと先発の安定がチームの加速に一役かっている事はわかるでしょう。
勝利数
勝利数で2桁の投手が3人いることは、次に紹介する投球回の成績からもわかる通り、年間を通してローテを守っている投手が多いことを意味します。援護に恵まれなかったCastilloも昨日11勝目を得て、ここからまだ積み重ねることを考えると、4番手のMillerまでも10勝到達を期待してしまいます!
IP(投球回)
投球回は、200回が一つの目安になりますが、先発3人が150を超えていることが注目ポイントです。試合数も多く、移動時間も長いMLBにおいて年間を通してローテを守る事は簡単ではありませんが、特に暗黒時代のマリナーズは離脱者が多すぎて、3人も先発ローテを守っている状況を見るだけで幸せな気持ちになります!
WHIP
WHIPとは、Walks plus Hits per Inning Pitchedの略で、「投球回あたり与四球・被安打数合計」を表します。つまり、一回を投げ切った場合に与えるファーボールか安打の平均値です。当然数が少ない方が優秀なのですが、Castilloの1.00は要するに、毎回1人はランナーを出してしまうけど、言い方を変えれば、1人”しか”出さないと言えるため、失点が少なそうですよね。MLBでは、1.00以下を最高の評価としていて、MLBの平均は1.20~1.40程度と言われています。先発ローテを守る3人が1.05以下というのは非常に素晴らしいことがわかっていただけますでしょうか?
BAA
最後に、BAAですが、これは対戦した打者の打率です。WHIPに似ていますが、WHIPはファーボールも含む点が違いますね。一番いいCastilloが.209と、対戦した打者の打率がほぼ2割りということで、5人対戦して1人にしか打たれていないという計算になります。3番目のKirbyでも.247なので、4人に1人ししか打たれていない計算ですから、2イニングごとに3者凡退させてもおかしくない感じです。
現在のマリナーズローテーション!
MLBは多くの球団で5人が順番に投げる体制を取っています。なので、先発ローテーションというと5人を上げることになりますが、現状のマリナーズは4番手までが固定できていて、5人目が少し不安定というところです。
1. エース右腕「Louis Castillo」#58
まずは、オールスターにも選出された右腕、Louis Castillo(ルイス・カスティーヨ)です。
主な成績
登板数 | 勝敗 | ERA (防御率) | IP (投球回) | SO (三振) | WHIP |
26 | 10-7 | 3.15 | 157.1 | 175 | 1.04 |
防御率は現在大谷選手に次いでリーグ5位。勝ち運に恵まれずまだ10勝止まりですが、本来なら13勝くらいあってもいいくらい援護に恵まれないことが多かった今シーズン、しかし全然腐らず、このガッツポーズをたくさん見せてくれています。
このガッツポーズは、現在リーグ4位の175を記録している奪三振の後に見せることが多く、魂のこもった投球は見ていて気持ちいいです。
現在30歳で先発人の中では上の方ですが、まだまだこれからキャリアハイを見せてくれそうな予感をさせます。
選手の特徴
MLB平均よりはるかに低い位置から投げる投球スタイルが特徴的で、平均155〜6km/hのフォーシームとシンカー、そして「魔球」とも呼ばれる平均140kmちょっとのチェンジアップで三振を量産します。
経歴
ドミニカ共和国生まれでプロ入りはサンフランシスコジャイアンツ。メジャー初昇格はシンシナティ・レッズに所属していた2017年で24歳の時でした。その後2022年までレッズに所属し、2019, 2021年は開幕投手も務めています。
その後2022年のトレードデッドライン間際に4対1のトレードでマリナーズにやって来ました。同年5年総額1億800万ドル(6年目オプション)の契約でマリナーズと契約延長。
2. 制球おばけ「George Kirby」#68
ここから若手が続きます!現時点での2番手は、25歳のGeorge Kirby(ジョージ・カービー)。
主な成績
登板数 | 勝敗 | ERA (防御率) | IP (投球回) | SO (三振) | WHIP |
25 | 10-8 | 3.28 | 156.1 | 142 | 1.03 |
2019年のドラフト1巡目(全体20位)でマリナーズに入団したカービーは、昨年5月8日にメジャーデビューを果たすと、25試合に登板し、8勝5敗、防御率3.39の好成績を残し、今年もローテーション入り。
選手の特徴
ストライクゾーンの端っこを巧みに攻めまくるコントロール抜群の投球で与四球が少なく、個人的に制球おばけと呼んでいます。最高100マイルを超えるフォーシームと制球力を武器に三振を量産。防御率こそ昨年とあまり変わりませんが、すでに昨年以上の投球回を消化していて、イニングイートも出る上に、その与四球の少なさから、K/BB(三振/四球)指数でMLBのダントツトップを走っています(カービー=10.1, 2位7.4, 3位6.4)。この指標に注目する評論家はカービーの将来に大きな期待を寄せています。
経歴
ニューヨーク出身のカービーは、2019年のいわゆるドラ1。マリナーズはあまりドラフト1位指名選手を花開かせて来れなかったイメージも強いのですが、見事に4年でメジャーの主力に育てたのが嬉しい!
2022年デビューの若手の躍進にこれからも期待!
3. ピッチングオタク「Logan Gilbert」#36
オタクと聞くともうそうにしか見えないルックスながら何故か打ちにくい印象の投球を繰り広げる長身右腕!
主な成績
登板数 | 勝敗 | ERA (防御率) | IP (投球回) | SO (三振) | WHIP |
26 | 12-5 | 3.66 | 155.0 | 153 | 1.05 |
勝ち星で現在チーム一位!
選手の特徴
自他共に認めるピッチングオタクだそうで、投球研究が大好きとのこと。カスティーヨとは逆に、長身を生かしたリリースポイントの高い投球が特徴で、チームのローテーションに様々な高さから投げる投手がいることは相手にとってやりづらさを生んでいると評されています。
経歴
Kirbyより一年早い2018年のドラ1!なんと、マリナーズ、とうとう二年連続ドラ1の育成に成功するという!
2021年にMLBデビューを果たし、その後メジャーに定着。2022年は32試合に先発し、13勝6敗とチーム最多勝を果たして開花!防御率も3.20とローテ定着に大きな躍進の一年となりました。
4. 25歳に見えない?「Bryce Miller」#50
ひょうひょうとしたピッチングながらしっかり試合を作る生え抜き右腕。
主な成績
登板数 | 勝敗 | ERA (防御率) | IP (投球回) | SO (三振) | WHIP |
19 | 8-4 | 3.90 | 101.2 | 95 | 1.04 |
シーズン途中にメジャー初昇格!新人としての記録を多数樹立。ヒゲとロン毛のせいで、右利きなのにランディ・ジョンソンぽさ感じさせます。
選手の特徴
感情を感じさせないひょうひょうとした投球でポーカーフェイスがお得意な印象。ピンチを切り抜ける時も、やられたーという時もあまり表情に出ないため見ていて感情移入するタイプではないかも知れませんが、その大人びた風貌も相まって、落ち着きあるピッチングに信頼を感じさせます。
経歴
Kirby、Gilbertのようなドラ1選手ではなく、最初の指名もマイアミ・マーリンズです。しかしその指名を受けず、のちに4巡目でマリナーズでプロ入りしました(2021年)。2021, 2022年はマイナーで修行を続け、今年5月1日、アスレチックス戦でメジャーデビュー。
初登板でいきなりのクオリティースタート、その後新人としての記録を多数樹立し、将来に期待を持たせました。
5. 期待の新星「Bryan Woo」#33
AAA級を経ずいきなりメジャーデビューの期待の新人!
主な成績
登板数 | 勝敗 | ERA (防御率) | IP (投球回) | SO (三振) | WHIP |
12 | 1-3 | 4.58 | 59.0 | 68 | 1.22 |
経歴
Millerと同じ2021年ドラフトの4位(全体113位)でマリナーズ入り。23歳という若さながら今年AA級から飛び級でメジャーデビューを果たします。
ここまで12試合に先発するも1勝止まりで負け越している上にERAも4.58と光まくっているわけではないですが、そのポテンシャルに期待したい新人です。
ポストシーズンに向けて
ポストシーズンは先発の枚数が変わることもあり、5人目の重要性は変わってくるかもしれませんが、残りの30試合でやはり5人目が計算できないと厳しい部分はあるため盤石の状態とは言い切れません。しかし、もし今季二年連続のP.O.進出となれば、長い長い暗黒時代を経験したマリナーズの明るい未来が見えてきます。
まとめ
いかがだったでしょう?
他のチームの事情はそこまで詳しくないですが、最年長Castilloでも30歳という若手中心の投手陣がなんかワクワクさせられますし、2番手以降全員が生え抜きで、しかもKirbyとGilbertはドラ1っていうのがもう最高ですよね?