満を辞して(?)日本でもサービススタートとなった「Apple Pay」。
様々な方面からレビューや紹介情報が出ていますが、”日本仕様”の「iPhone」は独自のものとなっていて、前にも書いた通り、マナーモードにしていてもシャッター音やスクショ音が鳴るというタイプで、アメリカや他の国で売られている物と違います。
シャッター音にわずらわしさを感じる人にとっては、「なんで日本だけ」という思いがあったでしょうが、今回登場の最新版「iPhone 7」ではさらなる日本限定装備が備わりました。
https://www.apple.com/jp/apple-pay/getting-started
Suicaやおサイフケータイに対応
その新しい日本限定仕様が、「FeliCa」対応です。
「FeliCa」は日本で広く使われている非接触IC規格ですが、海外の同様サービス向け規格と違うので日本で売られるモデルだけ特別に対応したチップが内臓になった、という認識でした。ただ、いろいろなところで見かける情報では、「FeliCa」対応チップ自体は海外版にも搭載されていて、ファームウェアレベルで制限がかけられているという噂もあります。
そんな「FeliCa」対応で一番話題になったのが、JR東日本が発行しているICカード、「Suica」への対応でした。
「iPhone 7」の発表イベント時にも大々的にその対応が語られ、先日はサービス解禁に先駆けてアップルCEOのクック氏が嬉しそうに試している姿も報道されました。
実は海外での「iPhone」のシェアと比べ、6割近いと言われる日本での「iPhone」のシェアは圧倒的に高く、アップルが日本をマーケットとして重要視し始めたのでは?と言われていて、今回の対応もその一部という考察があります。
US版「iPhone」で試してみたが
ところがしかし、シャッター音が消せないという点は日本に「iPhone」が入ってきた「iPhone 3G」時代から変わることなく、それも理由の一つとして、US版「iPhone」の日本での運用を始めたボク。はてさて、「Apple Pay」がどの様な感じになるのか試してみました。
その前に…
こちらはアメリカの主要銀行の一つである「Bank of America」のカードの登録画面。これ、ボクのカードですが、すでに登録済みです。US版「iPhone」でアメリカのカードが登録できるのは当然ですが。
もちろん「Apple Watch」でも「Wallet」アプリ内で同じ画面が登場します。(「Apple Watch」については後述で追加情報あり)
Suicaアプリで挑戦
どーん。
アプリをインストール後、最初っからこんな画面が登場。
このiPhoneはApple Payに対応していません。Apple Payに対応したApple Watchをペアリングすれば、ご利用可能です。
だそうで、予定どおり(?)「Suica」は使えませんでした。
「Apple Watch」による抜け道
さて、このエラーメッセージ(?)に書かれている通り、「iPhone 7」と一緒に登場した「Apple Watch Series 2」でうまいことやる方法があります。
初代では対応していませんでしたが、今回リニューアルされた”Series 2”では、「Apple Watch」にもFeliCaチップが内蔵されたことで「iPhone」側にチップがなくても「Apple Watch」を利用して「Suica」を使える様になるらしいです。
このやり方だと、「iPhone 6s」などの旧型機種でも同様のやり方で「Suica」などが使える様にできるという認識です。
総括
アメリカと日本で大きく違うことのひとつに「出勤」、「通学」スタイルがあります。
日本では多くの人が自転車、もしくは「電車」を利用し、職場や学校への往復手段としています。
たくさんの日本在住者が「Suica」をはじめとした非接触型ICカードを定期や切符として使っていて、財布とは別にパスケースを持っている人も少なくありません。
クレジットカードやATMカード、ポイントカードなど、財布にはたくさんのカードがありますが、非接触型ICチップを搭載したカード同士が干渉するため、「ピポン」と頻繁に使うカードだけをパスケースに隔離するという手段を取っているわけです。
そんな中での「iPhone」によるICカードの代替えはこれらの煩わしさが解消されるという期待があります。
日本では「Wallet」アプリはほぼ「無能」の烙印を押されていましたが、アメリカの方では対応するサービスも多く、例えばスターバックスカードのプリペイドカードや、大手アウトドア用品ショップの会員カードなど有効に使っていました。
US版「iPhone」が日本発行のクレカや「Suica」に対応しておらず、日本国内で「Apple Pay」を利用するのに壁がある様ですが、日本版への「Suica」対応を起爆剤に日本でも「Wallet」対応アプリやサービスが増えることに期待したいと思います。こっちは、US版、日本版の弊害がない場合も多いですから。