ボクの人生は平均的なみなさんより飛行機に乗ることが多いと思います。そして、大陸間移動も多いので、10時間クラスのフライトも多いわけですが、Molon Labeというところが飛行機のシートについて面白い発想を持っているということが紹介されていて、めっちゃ気になったのでこちらでもネタに使わせてもらおうと思います!
紹介していたWiredによると、Molon LabeのCEOは以下のように発言していて、斬新なアイデアの試作品をエアクラフト・インテリアズ・エキスポというところに出品したそうです。
「飛行機での移動はうんざりするものですが、そんな最悪な気分はデザインで軽減できるのです」。こう話すのは、Molon LabeのCEOハンク・スコットだ。同社は独ハンブルクで開催されたエアクラフト・インテリアズ・エキスポに、満を持して試作品を出品したのである。
その斬新なアイデアというのは、飛行機に乗ったことがある多くの人が一度は経験したであろう、「真ん中席」の憂鬱と真っ向から向き合ったものです。
優れた「バランス感覚」で全ての席を平等に
ビジネスマンとして大きな成功を収める人には優れた「バランス感覚」が備わっていると聞きます。
通路を挟んで3席ずつ並ぶタイプの飛行機の場合、「窓側」と「通路側」で好みは分かれるものの、率先して「真ん中席」を選ぶ人ってほぼいないですよね?それは真ん中席に選ぶ理由がないからです。
通路派の人は、トイレにすぐ立てたり、到着後早く出られるなどの理由が、窓派の人は景色を見られるという理由が考えられますが、間の真ん中席にそういった利点はありません。現実問題、搭乗前にネットなどで席指定ができるときに余っているのは真ん中席で、窓や通路側の席から埋まっているのをいつも見ています。
ちなみにボクは窓派ですが、それは、長時間フライト中に何度も窓や真ん中席の人がトイレに立つたびどかなくてはいけないあれが嫌いだからです。
この様に3つ並ぶ中で明らかに「かわいそうな席」である真ん中席に関して、景色が見れるとか、トイレに行きやすいなどと同等の「価値」がある何かを付加することで3席を平等にするという考えを持ったのがMolon Labeなのです。
これぞ、「バランス感覚」がある人の思考なのではないか?とボクは感動しました。
真ん中席が有利になる様々な仕掛け
これがその「バランス感覚」が生み出したアイデアなのですが、わかりますでしょうか?
これ、真ん中の席が広いんです。
窓側、通路側はともに18インチ(約46cm)なのに対して、真ん中だけ21インチ(約53cm)。だいたい7cm幅広になっています。
それだけではありません。
この真ん中の席は明らかに左右の肘掛けが「俺のもんやで」という位置についていて、しかも巧妙な設計により、フライト中にありがちな肘掛けの取り合いは起こりません。
ひじ掛けの後ろ半分に付けたカーブによって、中央席の人は少なくともひじ掛けの半分を確保できるようになった。「通路側や窓側に座る人は、中央席のひじ掛けを独占することはできません。ひじが後ろにいっておかしな角度になりますからね」と、スコットは言う。
それだけではありません。
なんと、専用の機内エンターテイメント用スクリーンも真ん中席だけ大きいのです!
真ん中席は「18インチ」の大型スクリーンなのに対し、窓側、通路側の席はひと回り小さい「15インチ」のスクリーンの設定です。席の横はばが違う分そのままスクリーンサイズが変わっているわけですね。
まとめ
今回の話、こうしてわかりやすいイメージ図とともに紹介されると、「あー、その手があるよね、いいやん、これ!」ってなりますが、こうして紹介されるまで、1mmたりとも思い描くことはあり得ませんでした。
何度も何度も飛行機に乗る中で、真ん中席にしか座れなかったことは何度もありますし、そのたび「あーあ」と思ってきました。
でも、全ての席のサイズやデザインが共通であることに疑問も持たなかったし、「損してる」なんて考え方したこともなかったですよ。
しかし、優れたバランス感覚により提案されたこれを見たら、「もう、これを採用しない航空会社とか優しさが足りないわ」とか思っちゃいます(笑)。
実際に導入するには色々課題もあるのでしょうが、こういう考え方、本当に素晴らしく感じましたし、実際にこういうギミックのある飛行機って乗ってみたいなと思いました。
ちょっと前にユナイテッドで乗客引きずり下ろし事件も起きたところでしたが、気持ちよく飛行機に乗れる様なこういうアイデアでより心地よい空の旅ができる様になること、今後も期待したいものです。