アメリカ最大のセールの日、「ブラックフライデー」(Black Friday)では、Mac用ソフトやiPhoneアプリも多数セールになりました。
ブラックフライデーに慣れている人は、欲しいアプリの購入をこの時期まで待つというくらい、場合によってはかなりの値引きになるのですが、画像編集ソフトとして大人気の「Pixelmator」が半額セールとなっていました。
ボクは「Adobe Photoshop」を持っているためこれまで買うに至らなかったのですが、気になってはいたので、いい機会と思い買ってみましたので簡単にいじってみたレビューをお届けします。
Black Fridayについてはこちらの記事で詳しく紹介しています。
Photoshop代替えとして人気のPixelmator
Pixelmator は最先端の Mac テクノロジーをフルに活用して、秀逸な画像の作成とレタッチ、描画とペイント、魅力的なエフェクト、驚くほどシンプルな構図を作成できる高速かつ強力なツールを搭載しています。イメージが完成したら、iCloud でどこからでもアクセス、iPhoto や Apertureへ送信、Eメール、プリント、共有、主要な画像フォーマットで保存、といった作業すべてを Pixelmator から行うことができます。
と、APP Storeの説明にある通り、多機能な画像編集ソフトで、UI的にも「Adobe Photoshop」とかなり似ていて、”フォトショ代替えソフト”として人気を集めている状態です。
「Pixelmator」のUI。真ん中に画像、左にツールバー、右にレイアーや、エフェクト一覧を出すレイアウトですが、”フォトショ”のレイアウトとほぼ同じです。
「Photoshopが一番いいのはわかるけど高いからな〜」
という人の受け皿となる理由がよく分かります。
圧倒的にコスパが高い
先述の通りボクは写真編集にはずっと「Adobe Photoshop」を使用してきました。
一応フォトグラファーの端くれとして絶対のツールのひとつとして導入・活用していますが、持っているバージョンは2011年に発売の「CS4」なので少し古いものです。
これにはいくつか理由がありますが、最新バージョンが「CC」と名前を変え、パッケージ版ではなく月額制に移行したのがなんだかしっくりこないから(買取制の方がしっくり来る)というのがそのひとつです。
現行の月額制では、「フォトプラン」で月980円(税別)が最安設定で(下表参照)、これでいくと1年間で11,760円となります。月額プランのメリットとしては常に最新バージョンが使えることがありますが、サインアップしたらずーっと支払いが発生する形となります。
パッケージ版(買取制)時代は学割でも4万円弱する高価なソフトウェアだったので、それを考えると安くなったとも考えられますが、なんででしょう?毎月利用料を支払うスタイルがしっくりこないのです。
それはさておき、年額1万円超えの利用料は多くのライトユーザーにとって「高い」と感じる額でもあります。デジカメを持つ人は増えたとはいえ、「そこまで多くの機能はいらないもっと安くして」という声は強く、その期待に答えるのが「Pixelmator」でした。
セールでは1,800円となっていますが、元の値段でも3,600円と、「Photoshop」の年額の1/3以下ですから、コストパフォーマンスはとても高いといえます。
ちなみにライト版「Photoshop」と言える、「Photoshop Elements」が11,800円なので、これと比べても同じく1/3以下になります。
セールを受けて、APP Store有料アプリランキングでも1位となりました
簡単レビュー
「Photoshop」を始めとする画像編集ソフトでやりたいことは、色合いの調整とか、リサイズ、切り取りだそうです。
それらの機能はもちろんついていますが、ボクが「Photoshop」でよく使う機能がちゃんと備わっているか?精度はどうか?ということを中心にチェックしてみました。
画像サイズの変更も「Photoshop」と似たUI。
部分選択ももちろんありますが、精度は「Photoshop CS4」より高い気が…。5年の月日…。
「トーンカーブ」。これはちゃんと備わっています。結構多用するので最低限必要な機能ですが、大体の画像編集ソフトでついていると思います。
画像を重ねた(レイヤー利用)時のブレンディングの種類も「Photoshop CS4」とは同等です。画像重ね、ブレンディングも多用するので良きです。
カラーバランスをいじる機能は”フォトショ”より洗練されていて、”っぽい”写真に加工するのが簡単そうです。
他にも”っぽい”写真を生み出すのに役立つヴィンテージ加工もよくあるiOS用アプリの感覚で簡単です。
こちらは「Miniture」加工の画面。多分、街を高いところから撮影した写真だと一番効果的なんでしょうが、大口径レンズと一眼カメラで撮ったように加工するときにも使えそうなこの機能は「CS4」にはないので重宝するかもです。
こんな感じで、さすがに2011年リリースと5年以上前に出たソフトと比べると、値段の安いソフトでも”フォトショ”にはなかった機能があって嬉しく感じました。
iOS版とのシームレスな環境もGOOD
と、Mac版の満足度・コスパは高いと感じた「Pixelmator」ですが、もうひとつ嬉しいポイントがあって、iOS版アプリも購入(インストール)すれば、MacとiPhoneそれぞれでシームレスに画像編集ができるのです。
これは最新版の「Photoshop」でもできることですが、格安版のこのソフト/アプリでできるのが嬉しいということです。
iOS版「Pixelmator」もセールになっていて、通常600円が240円と6割引となっていました。
iPhoneに入れると多くの画像加工アプリの様に始まりますが、最初に「同期」画面が出てくるのが他と違うところかも知れません。
こんな感じでMac版で加工した(そしてiCloudフォルダに保存されている)画像が読み込まれます。
同じフォルダをMac側から見るとこんな感じ。保存先はここでなくてもいいですが、ここに保存しておくことでMacとiPhoneでシームレスに開ける様になります。
UIはこんな感じ。Macよりは作業画面が小さくなるのは当然ですが、よくできたツールデザインで直感的に加工ができそうです。
上画像右側、「Vintage」加工では円をくるくる回すことでどれくらいの加工具合かをいじれます。
左は”っぽい”加工画面ですが、「Instagram」投稿時と同じ感じで、サンプルを見ながら選ぶだけ。右の「Miniture」加工も「Vintage」加工と同じく小さい方の丸をくるくる回したり、大きい方の丸から距離を離すことで加工範囲をいじるという説明書いらずの操作制でした。
総括
最新「MacBook Pro」に導入された「Touch Bar」へのいち早い対応も高評価の「Pixelmator」は定価の3,600円(iOS版と合わせても4,200円)と高いコストパフォーマンスから大人気で、今回購入から簡単にいじっただけですが、その理由の片鱗は容易に見て取れました。
慣れの面でまだ「Photoshop CS4」を使うとは思いますが、Retinaディスプレーに非対応だったり、iOSアプリとの互換がない点などを含めやはりoutdated、つまり時代遅れ感があるソフトなので、「Pixelmator」がメインになりそうなら以降していくのもありかも知れないと感じました。
もし「Photoshop」ユーザーではなく、高機能な画像編集ソフトを求めている方がいらしたら、「Pixelmator」は機能面で満足いくことは間違いないかと思いましたので是非!