ボクは別にビジネスマンとして、起業家として成功者ではありません。
しかし、新しいビジネスを始めることとか、始めたビジネスを維持し、大きくしていくことについては日々考えているので、題名みたいなことはいっつも考えています。
ボクは昨年リコーのPENTAXシステムからSONYのEマウントに移行しました。
マウント移行って、結構覚悟がいるんですよ。
ましてや10年以上同じマウントで生きてきて、レンズ資産も10本以上あったのですから、一眼をやる人ならわかると思います。そうじゃない人でも10年くらい住んだ家で、家具も家のイメージに合わせて揃えていたのに、引っ越して、家具を1から買い直すとか考えたらわかるでしょうか?
正直、Kマウントのままいたかったです。
PENTAXのカメラは大好きだったし、吐き出す絵も好きでしたから。
なぜSONYに移行したか?
ではなぜ移行したのか?
それは、大きく二つ理由がありますが、ひとつは、
「開発スピードに不安しかない」
もうひとつは、
「SONYの将来性を信じた」
です。
両方ある意味同じ意味かも知れませんが、PENTAXは何度かの身売り騒動もあり、開発の先行きが不安でした。たまーに出る魅力的な機材はドキドキさせられたこともありましたが、そのうちブランド取り壊しがある感じもしましたし、時代に対して”乗れていない”雰囲気でいっぱいでもありました。
一方SONYは真っ先にフルサイズミラーレスを売り出し、次世代戦略を始めていたメーカー。
かつてのβテープみたいに、覇権を取れない可能性はゼロじゃあありませんでしたが、レンズ交換式カメラにおいては、”未来が見えていた”わけですね。
会社がずっとトップを走るために必要な未来を見る目
ボクのやっている事業はせいぜい5年先しか見られません。
もちろん、ビジョンはあります。10年後とか、もう少し先も。
しかし、とりあえず来年存続していることも頑張らないとやばいレベルですから、スーパー大企業様と同じ経営思考ではいられません。
SONYなどの世界屈指の大企業は歴史上何度か「勝者」になっています。
ウォークマンで王座を経験し、しかしiPodに覇権を奪われ、プレステで王者になり、Wiiにしてやられ、そんな感じです。
一回勝者になっても、それを維持するのが難しいのです。
巨人だって毎年毎年優勝しませんからね。
そんな大企業がしかし、1位ではなくても「トップクラス」でい続けるために必要なことは、先を見る目です。
SONYがコニカミノルタを買収した時、反対的な声も多かったと思います。キヤノン、ニコンが絶対的王者だった中で、わざわざ一眼をやる意味あるの?って。おそらく社内でも「え、まじかよ」って思っていた人はいると思います(笑)。
最初こそミノルタのマウントを引き継いでいましたが、Eマウントで打って出たタイミングが絶妙だったように思います。
あの時も、多くの人が、「え、時期尚早じゃない?」と思い、発言していたと思います。
でも、あの時に始めていたから、今、ミラーレスでは王者になれているんだと思います。
失っても失っても、未来のために
今のSONYとEマウントを見ると、レンズも充実していて、後から参入してきたキヤノンRFマウントやニコンZマウントより圧倒的に充実していて、キャノニコは従来からキャノニコを使ってきたおじーちゃんしか手を出さないんじゃないかっていうイメージがあります。
極端な話ですが、最初、レンズが揃っていないキヤノン、ニコンを買う人って、EF、Fマウントのレンズを持っていないと、レンズ交換式カメラの意味がない状況になります。
理想の理想で言えば、ローンチの時に10本とか、20本レンズを揃えられることですが、簡単じゃないです。
SONYですら、10年かけて今のラインナップを揃えてるわけですし。
つまり、今のSONYの充実っぷりは、10年前から「今」と言う」「未来」を見据えてコツコツやってきたことの結果なのです。
どう考えても、初期は赤字を垂れ流していたと思います。
それこそミノルタユーザーしか買わなかったと思います。SONYのカメラなんて。
だって、キヤノンにしても、ニコンにしても、そしてPENTAX、オリンパス、富士フイルムなどなど、写真機の老舗がたくさんカメラを売っていたのですから、わざわざSONYのカメラを買うのって、ね。
でも、当時コニカミノルタを買って、今につなげてきた人たちは、未来が見えていたんでしょう。
電気自動車大手のTeslaも同じですよね。
電気自動車ってwww
みたいな時代から投資に投資を重ねて、今やGMとFordを足したより企業価値が高くなっていますからね。
未来を見るセンスと勝負する勇気
プチ自慢?かもしれませんが、今ボクの会社で軸になっている事業は、2013年くらいに思い立って、ずっと訴求し続けてきたものがベースになっています。
もちろん資本力がある会社がやったら、一瞬で負けますけど、
「絶対これからはこれが来る」
って信じて、続けてきて
実現した後も注力し続けてきて
今、一つの形になっています。
確かなデータで将来を見られる方法もあると思います。例えば、温暖化になるから涼しくなる素材を作る、とか。
しかし、多くの人たちがセンスで未来を見ているんじゃないかって思います。
そして、
そのセンスがある人が結果的に「勝つため」には、
勇気がいるのかなって。
芽が出なくて、結果が出なくて、周りに否定されて。
そういう中で勝負に出られる、勝負し続けられるのは、勇気だと思います。
きっとミラーレス時代の次の時代がいつかやってきます。
SONYには、ウォークマンの時みたいに、さらなる次のステップに出遅れない様に頑張ってもらいたいですね。
ボクは、自分がセンスがあるのか、勇気があるのかどうか全然わかりませんから、明日ですらとっても不安ですけど(笑)。