【革命?】楽天モバイルの戦略に思うこと

基地局設置計画の遅れ?などを理由に事業スタートを半年遅らせることになっていた「楽天モバイル」が料金プランを中心に戦略等々発表して話題になっています。

世界と比べて高いと言われる日本のモバイル通信費。第四のキャリアとして参入する楽天がどう価格破壊をするのか注目されていたわけですが、、、さすがっと思った人が多かったのではないでしょうか。

新規参入としての役割

どんな規模であれ、新規参入するものは後追いになる以上パンチ力のある展開が望まれます。

多くの場合、「1. それまでの既成概念をぶっ潰すような何か」、もしくは、「2. それまでの路線を引き継ぎつつ圧倒的な勝負要素がある」ことが求められる気がします。

前者は例えば、iPodです。それまでカセットやCDなどソフト的なものを入れ替えて楽しむスタイルが一般だったし、容量も10曲〜20曲/ソフトという限度があるのが常識だったポータブル音楽の世界をぶっ壊し、全く新しい世界を生み出しました。「ポケットに1,000曲」って。

後者は、今回の楽天モバイルのように、価格破壊だったり、価格は競合と同じでも質が圧倒的に優っている、量が多い、などだと思いますが、今回は楽天モバイルの話なので、楽天モバイルの価格戦略に的を絞ります。

消費者にとって、新しい勢力が参入するメリットは、競争が生まれ、より良い商品、より良いサービスが提供されることにつきますが、かつてはソフトバンクが「ホワイトプラン」というある意味でのワンプライスの提供でモバイル業界に風穴をあけたような時代がありました。

ただ、馴れ合い的な、忖度的なもののあり、価格競争は止まっていたのかな?

そして今回楽天モバイルが、色々込み込み「2,980円(税別)」というワンプライスで殴り込みをかけてきたわけです。

安かろう、悪かろうでは意味がありませんので、楽天モバイルのネットワークの質を検証するまでこれが本当に価格破壊なのか断言できませんが、今回楽天モバイルは多くの点でその役割を果たしたと思います。

世界と戦うために

何年か前、サンフランシスコからシリコンバレーの方に車を走らせる途中で「Rakuten」の文字を目にしたことがあります。冷静に考えたらそこに楽天USAがあってもおかしくないのですが、日本のローカル企業というイメージがあった楽天の名前をカリフォルニアで見たのに違和感を覚えました。

実際、ボクは楽天がアメリカでどれくらいのビジネスをしているのか知りません。しかし、そこにオフィスを置くだけの仕事があるのだろう、と思うくらいでした。

昨日、楽天モバイルの発表会を見て、楽天が描くビジョンを少しだけ垣間見ることができましたが、IT関連では多くのものがアメリカから日本にやってきている今の世の中において、楽天は日本から世界に打って出る未来を見ているのだなーと感じました。

モバイル事業はとてもリスキーだと多くの人が言います。基地局をたくさん作って、そこに巨額を投じて、果たして本当に儲かるのか、と。楽天はEC事業を中心にしっかりビジネスがあるのに、なぜ今モバイルなのか、と。

ボクにはその全てのビジョンはわかっていないと思いますが、楽天はおそらくモバイル事業を通じて、Yahoo!、LINE連合も目論むスーパーアプリ、そしてエコシステムの構築を目指し、その経済圏構築を軸に世界戦略を考えているのだろうと感じました。

日本発のITサービスは世界で通用しない。

現在の常識で、Twitter、Facebook、InstagramなどのSNSはもちろん、検索のGoogleやビジネスソリューション系もパソコン、モバイル各種OSもぜーんぶアメリカ発です。ECでもAmazonが日本でも存在感抜群で、かろうじてメルカリが人気ですが、海外進出は失敗しています。一方、中国からはTikTokや韓国のLINE、SNOWが日本で浸透(LINEは日本製という考え方と韓国製という考え方どちらもできます)。日本で広まっているIT関連サービスの多くが外国からやってきていて、そんな中で日本から海外に打って出るなんて、想像しにくいですね。

しかし、そんな現状に腐らず?戦略的に世界と戦おうというのが今回の楽天モバイルの発表で感じられました。

10年前、楽天が社内公用語を英語にするというのは当時話題になりましたが、その時はまず、その意味・意義がわからない、格好つけているだけでむしろ効率性を損なうという声もあったと思います。確かに、社員がほとんど日本語を話す人で構成されている場合、わかります。しかし、楽天が描いた未来像はそこではなく、グローバル戦略下にありながら、日本を世界に合わせるための英語化ではなく、日本を世界に売り出すための英語化だった点が多くの人の考えと違ったところではないでしょうか。

社内公用語を英語にするメリットについてはここでは横に置いておきますが、狙いは、世界と戦う上で、英語をベースにできることの強みがある意味で最低条件と考えたのかも知れないわけですが、これは、例えばメジャー移籍を目指す日本人野球選手が英会話を勉強するのと同じかも知れません。スポーツは言葉ができなくても関係ないという人もいるかも知れませんが、野球を始め、チームスポーツでは選手間の意思の疎通は大事で、企業も海外を相手に戦う時、その相手先の言葉を深く理解し、身についていることが重要な場面がたくさんあると思います。

そんな諸々の細かく多岐にわたる準備を経て、今楽天は70カ国以上の異なる出身地から人材が集まっているという(2016年時点)ことで、世界と戦うための力をどんどん集めているのですね。

日本発の世界的ITサービスが生まれるか

日本発なものとして世界に誇るもの、を聞かれた時多くの人が思い浮かべるであろうもの、そう、アニメです。

なぜアニメは世界で戦えるのでしょうか?

それは、吹き替え次第でどの国にももっていけるからではないでしょうか?

物語を作る、という意味ではIT的な、01の世界で無から何かを作り出す点、似ている気もしますが、日本の人は漫画からアニメという二次元の創作に優れている上、言語的なハードルを存在しない業界であることから優れた創造性が世界に羽ばたきました。

製造業ではどうでしょうか?車とカメラは日本が世界で戦えている2大プロダクトですが、これらも原則言語や文化的背景が大きく影響しないものです。しかし、車に関していえば、EV車のベンチャーであるTeslaは業界を脅かしていて、また、Appleなどが作るスマートフォンはコンシューマーレベルのカメラ需要をどんどん喰っているので安心はしていられません。

そんな中で今後日本からIT関連サービスで世界に羽ばたく何かが生まれるのでしょうか?

その可能性を楽天モバイルの戦略に見た、と思うのです。

スーパーアプリと世界戦略

ポイントが大好きな日本人。

外国人がポイントを気にしないわけではありませんが、こんなにたくさんポイントカードだのなんたらペイだの還元だのというイメージは欧米にない気がします。

しかし、自分たちの経済圏に顧客を縛る手法としてポイント還元は優秀な働きをするのは事実で、最近台頭するサブスクとうまく相乗効果を生む形を作れたならば、今後世界を取れるようなサービスに繋がる気がしています。

そんな中で注目したいのが、スーパーアプリです。

Yahoo!とLINEも狙っていることは周知のことですが、今後も誰もが1台以上持つことになるスマホにおいて、電話やメッセージングはもちろん、ネットショッピングやそれ以外のリアルの買い物でさえ一つのサービスアプリに引き込めてしまえたら?

今、日本ではガスや電気の囲い込みが盛んに行われていますが、どこでどのような消費をしても、必ず同じサービスでポイントが循環するなら、消費者も面倒が減りますよね。

楽天のスーパーポイントがそのエコシステムを狙っていて、今回の楽天モバイルはその中核を担う狙いでしょう。

当分は赤字で運営という楽天モバイルですが、初年度無料を打ち出したのは、いち早くユーザーを獲得するためでしょう。300万人という数が多いのか少ないのかわかりませんが、昨年末時点で契約台数総数が約1億8,000万台という日本の携帯市場で、40%近いシェアを持つというNTT DoCoMoが役6,800万台や2位のKDDIグループの約5,000万台という数にどこまで迫りたいのか、というのが注目です。国内の勝負という意味では最低でも1/4トラなけらばならないと思いますので、近々2億台規模になる市場として、5,000万回線の契約は早いうちにとりたいのではないかと思われます。

一方、まだまだ独自回線だけでの全国カバーは叶っていないため、どこまで早い時点で網羅できるかというのも課題です。

ただし、先行三社からシェアを地道に奪い、仮に1/4以上の契約数を得たら、そこから一気に業界を牛耳れる可能性は感じるとともに、スーパーアプリとこの新しいエコシステムを持って世界に挑めるのではないかと思います。

その一端が、海外とシームレスで使える予感のする通信制度。

従来の電話網ではなく、楽天Linkというアプリを利用する点がMVNOと同じく厄介で、解決策が欲しいところである一方、ネット回線を利用する通話であることから、例えばアメリカにいても日本国内同士で会話するような感覚で国際電話(アメリカ→日本)をかけることが叶います。

実はボクも同様の理論を使い、アメリカ滞在中も日本国内のオフィス向けにかかってきた電話が受けられるようになっていて、逆も然りであり、これはとても便利です。

便宜上、アメリカ滞在中は現地の番号も利用しますが、仮に、世界中の人がLINEを使っていて、電話番号という概念が無くなったと想像してみて下さい。通信費以外に何もかからない上に、国際電話の際に煩わしい国番号だとか、見慣れない文字列というものがない世界です。

楽天モバイルが他の国に進出し、プラットフォームとして浸透した場合、楽天Linkがその中軸アプリとして鎮座し、世界の多くの人がこのアプリと通信機能を利用するようになります。ボクは、今ここまでLINEが日本に浸透している実情を考えると、LINEはむしろ楽天と組んで欲しかったなと思わないこともありませんが、もし楽天LinkがLINEを捨てて乗り換えるだけの価値があるプラットフォームへと成長したならば。。。その時、日本発のサービスが初めて世界で勝てる日になるのかも知れません。

イノベーターであることの魅力

「世界を変えた」人は歴史上何人もいるでしょう。

近年で言えばスティーブ・ジョブズがそう呼ばれますが、果たして彼がいなければ今の世界はどれほど違ったのでしょうか?

ある天才が世界を変えるタイミングというのは、誤差はあれどやってくるのかも知れないです。

エジソンじゃなくても、別の誰かが電球を作ったのではないでしょうか?

しかし、大事なことは、その、「世界を変える人」に自分がなるのだという想いではないでしょうか?

自分はそんな才能がないよ、チャンスがないよ、というのが多くの凡人の考え方でしょう。

しかし、結果的に世界を変えてしまった人たちは、「俺しかできない」とか、「俺にできなければ誰にできる」と思っていたかも知れないし、そんな大それた考えではなくただただ、思いついたことを実現させ続けただけかも知れません。しかし間違い無いのは、「自分にはできない」、「自分には関係ない世界」と思ったことはないだろう、ということです。

楽天は三木谷代表取締役会長兼社長が30代で起業し、一代でここまでの巨大企業になりました。経歴だけ見ると恵まれていた育ちの部分も感じる一方で、すさまじいイノベーターとしての才覚が溢れる歴史が連なっています。

ビジョンがあり、野心があり、そしてやり抜く力があるのだと思います。

ここまでの組織になった以上、ご自身の一人での決定で全ては決まらないと思われる一方、それでもやっぱり彼の組織であり、彼にしか持ち得ないビジョンの元進む会社なのでしょう。

新しいことを始めることだけが全てじゃありません。古いものを守るのも大事、現状維持も大事。しかし、今回の楽天モバイルの発表会をずーっと見ていて、やっぱりイノベーターであることってすごいな、パワフルだな、そして、夢があるなと思いました。

ボクに何ができるのかを考え続けている今

自分は今、結構、割と大事な局面に立っています。

この記事も、自分の頭の中を整理する意図で書いているのですが、、、。三木谷社長やその他たくさんこの世に存在する、これまで存在してきたイノベーター、「世界を変える人」たちにボクが肩を並べられるかということを考える余裕すらありませんが、それでも、確実にボクが成し遂げた、自分のビジョンに真摯に向き合い、取り組んだ結果実現させられたものが目の前にありました。

あと一歩、もう少しでその世界を確実なものにし、そして、「世界を変えられる」自信があるのです。

なんだろ。

例えば、スパイスから調合してカレーを作っているのを想像して下さい。

いろんな調合を試し、失敗し、あと一歩だけど何か違う、そんな感じでずっとカレーを食べている。

そんな中、「これや!」という味が見つかって、完成したように見えたのだけど、いや、待てよ、何かもう一つだけ足りない、そんな風に感じてその何かを探している。その何かを自分で世界中冒険して探せれたらそれが理想なんだけど、どうやらボクにその力はないようだということは諦めやネガティブ思考ではなく、受け入れるべき現実として思っている。

そして今、そのあと一つのスパイス自体を探すのではなく、そのスパイスを持った誰かを探しているようなイメージでいる。

世界は変えられる、人生は変えられる。

あと、最後のスパイスが揃えば、ITでもカメラでも車でもないけれど、ボクのビジョンは確実に誰かの人生と世界を変えると信じているからスパイスを持った人を、探し続けている。

締め

なんか、何を書きたいのか意味不明な記事になったし、きっと誰にも需要のない記事だから独り言でいいのだけど!

とにかく、LINEモバイルから楽天モバイルに変えるかめっちゃ悩むし、

EXSの今後をどっちに進めていくかもめっちゃ悩んでいる!

今、正直会社の存続レベルの危機だけど、ポジろうとしているからではなく、”ピンチをチャンスに”というインスピレーションが定期的に降ってくる。

コロナショックがなければそりゃ、割といい感じでことが進んでいたのだけれど、この大ピンチになったことで何か、もっと爆発的に大きなことが起こせそうな気がして止まない。

その爆発を起こすのに足りないのはニトログリセリンなのか、導火線のロープなのか、着火用の火種なのか、それすらも今はまだわからない。

でも、必ず見つけ出し、大爆発を起こしてみせる。

そういうことが言いたいなって書き始めた記事だったことを最後の最後に思い出せて安心。

シアトル生まれ、大阪育ち。6年前に独立・起業しましたが、コロナ禍で事業が大ダメージを受け、人生の方向転換に悪戦苦闘の日々です!とにかく、「ワクワク」に満ちた毎日を目指してできることから地道に頑張っています〜!