2020年は、フォトグラファー的投稿を増やそうと頑張っています。
今日は、ミラーレスでも一眼レフでも、「レンズ交換式カメラ」をゲットした人に最初にやってもらいたい事、についてのお話です。
なぜ一眼を買うのか?
マイクロフォーサーズのミラーレス中心に、”一眼”と呼ばれるカメラが安くなったので、多くの人が買いやすくなりましたよね。
でも、その功罪というか、悪い面があると思っていて、気軽に買えるし、なんなら高級コンデジより安く手に入るせいで、安価で”自動的に”いい写真が撮れる道具が手に入ると思う人が結構いるなと思っています。
見た目もかっこいい、かわいいし、コンデジより大ぶりだし、よりいい写真が撮れるイメージがあって当然なんですが、、、。
実は色々細かい設定とか操作ができる分、失敗も多くなるし、覚えることも多くてめんどくさかったりで買った人の多くが言いますが、「結局あまり撮っていない」という未来が待っていることもしばしばなんですよね。
なので、「なぜ一眼を買うのか?」ということを改めて考えたいな、と思います。
答えはいつだってシンプルですよ。この問いに対しては。
それは、
レンズ交換ができることで撮影の可能性が格段に広がるから
です!
レンズ交換できることの可能性
iPhoneの最新モデルは3つのレンズがついていて、広角から望遠まで色々な画角が撮れる様になりました。
スマホについてくるカメラとしては本当にすごい進化です。
しかし、レンズ交換式カメラなら、無限のレンズオプションがあるのですよ!
もちろん、レンズ一本一本は安くないですが、可能性という意味では、無限です。
超広角が撮りたいなら、超広角レンズ、向こうの方が撮りたいなら超望遠レンズ、暗いところを撮るときは大口径、気軽に軽く持ち歩きたいときは小型のレンズ、などなど、あげようとすればきりがないです。
今回の話は、その無限の可能性の中から、「画角」という点に焦点を絞って話を進めます。
好きな画角を探す理由
最初の1本、このレンズなしでカメラは買えません(買えるけど)。
だいたい初心者は「キットレンズ」というものを買います。割安感も含め、「ダブルレンズキット」などと呼ばれるレンズが2本ついてくるセットで買う人も少なくないでしょう。
でも、多くの場合最初の1本は、いわゆる「標準ズーム」と呼ばれるレンズで、安さと軽さと、コンパクトさを優先させた手軽・手頃なズームレンズになると思います。
このレンズの焦点距離は、多くの場合24mmあたりからスタートして、70mmあたりまでの3倍程度のズームレンズです。
これは多くの場合この焦点距離で十分なんでも撮れるはずだからですが、画質の良さと、そして、「写真の楽しさ」を求めた場合、絶対「単焦点レンズ」の方が優れているのです。
単焦点レンズとは?
単焦点レンズとは、ズームレンズの対義語、で、文字通り、焦点距離(画角)が決まっているレンズです。例えば35mmという焦点距離のレンズなら、その画角以外撮れません。
一方、ズームレンズなら、24mm〜70mmなど、レンズをひねって画角が変えられます。その利点は一本で色々な画角を撮影できることになりますが、その代わりに大きくなったり、画質が落ちます。
単焦点レンズとズームレンズのどちらが優れているかという話は不毛で、用途別に住み分け、使い分けするものです。
機動性だけでいうなら、iPhone(スマホ)が最強ですし、画質だけを求めるなら、フルサイズや中判サイズのカメラの方がいいに決まっています。利便性で言えばズームは便利ですが、画質を求めるなら単焦点レンズ、ということです。
なので、最初にズームレンズを買うのが無駄とか間違い、という話ではないのです。
ただ、ゆくゆくは、単焦点レンズを楽しんでもらいたい、そういうことです。
その中で、しかし、単焦点レンズは画角が固定なので、どの焦点距離を買えばいいかがわかりません。
なので、せっかく買ったズームレンズで「好きな画角探し」をしましょう、という流れです。
おおおお〜〜わかりやすい!(自画自賛)
好きな画角の見つけ方
これは、とってもシンプルです!
例えばあなたのレンズが24mm〜70mmだったとして、一般的な単焦点として存在する画角に準拠した、”縛り”の中で撮りまくるのです。
一般的に多いレンズの画角は下記の通りです。
- 20mm
- 24mm
- 28mm
- 35mm
- 40mm
- 50mm
- 55mm
- 85mm
24mmより広角寄りに20mmも入れていますが、さらにこう書くとして14mmや18mmもあるし、昔のレンズですがPENTAXは43mmとか31mmとか変わった画角のレンズを作っています。25mmや30mmも存在はするし、60mm、70mmなどもありますので自分が買ったカメラのマウントの中で選択肢を先にチェックしてから”縛り”をするのもアリと思いますが、ボクは24mm〜70mmのレンズでやるなら、
24mm, 28mm, 35mm, 50mm, 70mmくらいの5段階で十分じゃないかと思っています。
画角別作例
好みの世界ですが、一応、画角別の作例も紹介しておきますね。
20mm
超広角の範疇だと思います。かなりパースペクティブが強調される画角ですが、使い方を工夫すると、ダイナミックでインパクトある写真が撮れます。
Lens: SONY 「Vario-Tessar T* FE 16-35mm F4 ZA OSS」
24mm
こちらが24mm。SONYの「24mm F1.4 G Master」はすこぶる評判の良いレンズですが、売れまくっているそうなので、使いやすい画角に感じる方も多いのだと思います。
Lens: SONY 「Vario-Tessar T* FE 24-70mm F4 ZA OSS」
35mm
35mmに飛びますが、これくらいの画角です。スナップレンズとして好む人も多い画角ですね。ボクはこれでもまだ”広すぎ”と感じます。
Lens: SONY 「Vario-Tessar T* FE 16-35mm F4 ZA OSS」
55mm
被写体の幅がありすぎて参考にならないかも知れませんが、ボクが好んでいるのがこのあたりの画角です。明確な、”切り取り”を感じながら撮れるからです。なお、この写真は単焦点レンズによるものです。
Lens: SONY 「Sonnar T* FE 55mm F1.8 ZA」
70mm
東京タワーを見上げて撮った一枚ですが、こういう”切り取り”も中望遠域ならではの楽しみです。
Lens: SONY 「Vario-Tessar T* FE 24-70mm F4 ZA OSS」
85mm
85mmになってくると、”圧縮効果”もあり、また、F値の低い(大口径の)レンズになると、大きなボケが楽しめるのが特徴になります。また、ポートレートにもよろしい画角になってくるので、ボクはこの無印(でもとても高評価)のレンズが大好きです。
最初から書いている通り、描写力だけで言えば単焦点がズームに勝るのは当然ですが、24mm〜70mmをカバーするズームレンズでもこの85mm域はカバーできないので、そういう意味でも気に入っている画角です。
Lens: SONY 「FE 85mm F1.8」
”縛り”のやり方
ということで、自分の好きな画角を発見して欲しいというのが今回の話ですが、ズームレンズはちょっと触っただけで焦点域が動いてしまいます。それを止めるために、テープで止めましょう。
一番いいのは養生テープですが、なければマスキングテープなど跡が残りにくいテープでズームリングを”固定します”。
それで、ズーム機能を使うことを自分に対して”禁止して”とにかく決めた画角でしばらく撮り続けます。
旅行中とかだと機会損失が生まれるので、”縛り”をやる時は余裕のある時で。
近くの街に出かけたり、自分が撮りたいと思う被写体のある場所に出かけて、とにかく数百枚撮って下さい。
ある程度撮ったな、と思ったら、次の焦点距離にして、できれば同じ場所を再度歩きます。
それを数回繰り返し、24, 28, 35, 50, 70mmなど撮り歩いたら、撮れた画像を見て、自分が好きだなと思える画角を見つけるのです。
もしくは、撮影中に”気持ちよかった画角”を自覚できていればその画角があなたの好きな画角です!
別のやり方
テープで貼ったり、同じところをくるくるするのが面倒という場合は、、、。
別のやり方があって、それはもうズームがどうなってるかは気にせず500枚くらい撮り歩きます。
帰ってから、どの焦点距離で撮ったものが多かったか、集計するのです。
結果的に多かった画角があなたの好きな画角の可能性が高いです。
このやり方のマイナス点は、”縛り”のやり方だと感じられた、「あ、この画角で撮っている時楽しい!」という感覚を知るのが難しい点です。
また、”縛り”だと、画角が単焦点レンズと同じ状態を疑似体験できるので、それも利点です。
まとめ
せっかく”デジイチ”を買っても、最初の標準ズームレンズ一本だけを使い続けて、結局レンズ交換式の恩恵を全く感じられない使い方をしてしまっている人が結構いるんです。ボクのところにも、「使い方がわからなくて。。。」という相談に来られる方が結構いらっしゃいますが、安かろうと、可愛かろうとデジイチは割と難しい道具ですよ!
でも、その分使いこなせれば、スマホやコンデジより良い写真が撮れる可能性でいっぱいなので、せっかく買ったなら、ぜひそういう画像を撮って欲しいし、何より、レンズが変えられる楽しみを感じてもらいたいと思います!
お気に入りの画角を見つけて、”割り切って”その画角だけで撮り歩くの、ボクはかなり大好きです。ぜひ”縛り”撮りであなたも自分の好きな画角を発見して、楽しい写真ライフを送ってください!