【コロナストレスで増加?】ネット上で誹謗中傷すること、そしてされることについて

新型コロナの完全終息はまだまだ未来の話。当分は「新しい生活様式」と共にコロナと共存する時間が続きます。

そんな最中、大人気リアリティ番組「テラスハウス」の出演者が自殺するという痛ましいニュースが飛び込みました。「コロナ不況」、「コロナ倒産」、「コロナ離婚」などなど、ウイルス感染により死んでしまう以外にも、間接的に命の危機にさらされてしまう危険性が強い新型コロナとの時間ですが、三日前に読んだコラムでも、「コロナ自殺」と言う言葉を使ってこの厳しい時代に命を絶つことを選択してしまう人の多さを指摘しています。その記事によると、今年の自殺者数が過去最悪を更新する可能性を示していてとても怖い気持ちになりますが、今日のお話は、さらにもう一段階間接的な距離にあると考えられるネット上での誹謗中傷のお話です。

人の心を蝕むコロナ時代の辛さ

新型コロナが我々から奪ったものは数知れません。

ボクも大きな仕事を失い、そして、向こう何カ月、下手したら数年仕事がない状況に陥っています。

大きな会社が倒産し、倒産はしていなくても休業により大打撃を受けていて、その従業員は失業したり、収入が減っています。

地震や天災なども甚大な被害をもたらしますが、復活に向けたロードマップが素早く描けます。また、被害が局地的であることから他の地域の人たちがサポートすることも可能です。一方で、このコロナ状況は世界中のこと、全人類が被害を受けているためみな、自分を守るので精一杯になり、そして、少なくともワクチンができるまで「完全終息」と呼べる日は来ません。

先行きが不安なことや、失業したことの恐ろしさは学生には感覚的にはわからないことかも知れませんが、ほとんどの社会人、特に一人暮らしだったり、家庭を支えている人には簡単にわかるものでしょう。

断続的に続く不安はやがて人の心を壊し、「ウツ」を招きます。また、過度なストレスを浴び続けることは心身症なども起こし、症状としては、「頭痛」、「めまい」、「動悸」、「腹痛」、「下痢・便秘」などがあり、また、睡眠障害(不眠・中途覚醒など)も考えられ、総合的に体調を崩す原因となりえます。さらに、これが続くと、皮膚炎を発症したり、脳卒中やガンにも繋がるとされています。

誰もが厳しい時代ということを皆が自覚するあまり、「前向きに!」、「コロナに負けるな!」と気持ちを強く維持しようと頑張りますが、浴び続けるストレスというのは心を元気に保とうとすることでは防ぎきれません。多くの人が今、知らず知らずのうちに心を蝕まれています。

ネットの誹謗中傷、なぜやるの?

さて、木村花さんは22歳という若さでこの世をさってしまいました。

ボクはテラスハウスは一番最初のシーズンしか見たことがないので彼女のことは存じませんでした。しかし、今回の報道を機に、気になることがたくさんあって経緯など色々調べました。

多くの方がご存知のことだと思いますが、とてもシンプルにまとめると、ネット上での過度な誹謗中傷に傷つき、心病んだ末の選択だったと言えますが、たくさんの出演者がいる番組の中で木村さんが誹謗中傷を受けたそもそもの理由は、フジテレビの演出方法にも問題があったとする見方も多く、闇が深いと感じる一方で、そもそもネット上の誹謗中傷ってなんでやるんだろう?ということが頭に残りました。

なぜかというと、自分自身も匿名の悪意あるデジタル攻撃にさらされていた(いる)からです。

これについては次に書きますが、まずはそもそもの誹謗中傷をやる理由を調べましたのでそちらを書きたいと思います。

ネット上で誹謗中傷する心理

調べてみると、ネット社会と呼ばれるようになって久しいことから結構昔の投稿含めかなりの記事が見つかり、いろいろな考えを知ることができました。以下、ボクなりに納得した理由です。

  1. 偏った「正義感」
  2. 劣等感やコンプレックスからくる嫉妬や妬み心
  3. 何かに対する復讐心(腹いせ含む)
  4. 単純な憂さ晴らし・愉快犯(対象は誰でもいい)
  5. 集団ヒステリー

上手にまとめられたかわかりませんが、5つにまとめてみました。

1. 偏った正義感

まずはこれ。「自粛警察」という言葉が流行り言葉のようによく聞かれますが、少し前は「脱税おじさん」という言葉もありましたよね?人はそれぞれ正義の基準を持っていると思いますが、自分の中の正義が世間と同調していると感じ、間違っていると思う相手を罰したい心理が働きます。

例えばマスクをせずに電車に乗る人。今の時勢を考えるとなるべくして欲しいですが、他人が強制出来ることでもありません。横に立っている人がマスクなしにペチャクチャ話していたら正直嫌な気持ちになる人は多いと思いますが、「おいお前!マスクもせずに外に出るな!」と怒鳴りつけたり、ましてや暴力を振るうなどすると確実に間違った振る舞いです。

しかし、コロナウイルスが人を殺すことは周知の事実。自分が死にたくない気持ちはもちろん、早く感染拡大が止まらなければ仕事が再開しないとか、経済が死んでいくとか不安な気持ちを多くの人が抱えているので、普段なら許せることが許せない心理状態になっている可能性が考えられます。

ボクも、夜中にランニングに行った時に中高生に見える子供が公園で”密”状態でたむろしているのを見かけた時、帰宅を促すために声をかけたい気持ちになったことがあります。そもそも0時を過ぎた時間であったこともありますが、彼らのことを思ってではなく、シンプルにイラっとした気がします。結局近くの警察署で対応を求めただけにとどめましたが(普通に非行にあたると思うので)、別で紹介する通り、ボクが最もイライラを抑えられない精神状態だった時だったらもしかしたら直接、しかも威圧的に声をかけてしまっていたかも知れないと思います。

正義感というのは、自分の中では「絶対に正しい」と思っているので、その基準から外れる人が敵に見えてしまうのが怖いところです。

そして、この心理が、ネットを介して”敵”を攻撃しよう、攻撃という自覚がなくても、”正そう”とする行動を取らせると考えられます。例えば、マスクなしでランニングをする人に汚い言い方で”口撃”した芸人さんがいますね?

従来ボクも大好きだった方なのでとても残念に思い、そして敵意も覚えました。が、この人も焼肉屋さんを営んでいたり、芸人として仕事が減っていたりして精神状態が平時とズレてしまっていたと想像すると見え方も変わります。

でもこれが出回った当時は、なんでこんな”アホランナー”とか”ええ加減にせぇーよ”とか強い口調で発信しないといけないのだろ?もし警笛を鳴らす意図ならもっと穏やかに、よりベターな状況を目指すために「こうしたほうがいいよ」とか「協力しよう」などと発信すればいいのにって思いました。フォロワーも多く影響力ある人なのですからなおさらですよね。しかもこの後、それなりの反論を受け、言葉遣いなどは反省していると返答しているのでボクの想像ではこの人もいろんなストレスでしんどい中、突発的に”正義感”でツイートしてしまったのだと思います。

2. 劣等感やコンプレックスからくる嫉妬や妬み心

ボクは、日本人が”劣等感”を持ちやすい文化的な側面を持っていると思います。人と比べて自分の価値を測ったり、他を大げさに羨むことが欧米の人たちより多いかな、と。

それが関係するかどうかは議論の余地ありかも知れませんが、ネットでの誹謗中傷行為を考えると関係あるとしか思えません。

ちなみに”コンプレックス”と書いていますが、これは日本で浸透している言い方で、厳密には”劣等コンプレックス”のことを言っています。劣等コンプレックスとは、自分が他者から劣っていると感じること、またそのことからくる悩みのことですね。

それがネット攻撃にどう関わるかというと、例えば自分はある人より見た目が美しくない(ゆうたらブスやと思ってる)というコンプレックスを持っていて、自分より美しいと思っている人が友達と楽しそうにしているのを見て、「あの子が楽しい幸せな人生を送っているのは見た目が美しいからで、自分がそうじゃないのは見た目が劣るからだ」と決めつけ、嫉妬し、「あの子は努力も苦労もしていないのに美しいだけで自分より幸せとか許せない」などの心理が起こり、攻撃したくなるのです。

その人が友達と楽しくしていることにはたくさんの要素が関わっているはずだし、なんなら友達(らしい人)と一緒にいることが幸せじゃないかも知れないですよね?

ボクも高校の時、親が決めた留学に行きましたが、大学時代に英語が話せることについて「あなたの家はお金持ちだから英語も話せていいよね」と言われ、大学の掲示板で自分の努力ではなく英語が話せるだけなのに偉そうにしていてムカつく、的な書き込みを受けたことがあります。投稿者はわからなかったですが、ボクがアメリカでどれくらいしんどい時間を過ごしたと思ってるのだろう、、、という気持ちになりました。そして、英語習得にはいい環境だったかも知れないですが、留学生活で失ったものもあるし、投稿者だって頑張って勉強すれば日本にいながらでもある程度の英語力は習得できると思ったので、嫉妬というか妬みという心は怖いなと思いました。

コロナ禍においては、自分が苦しいのはもちろんですが、誰か他の人が楽そうに見えると正直羨ましいですよね。職業柄影響受けない人だったり、むしろ儲かっている人とか。前にドラッグストア業界について、「コロナでウハウハ」と表現した人が炎上していましたが、ZoomのCEOとか急に長者番付に出てきているし、コロナ禍で失言したことで失職した政治家なんかは、コロナ対策で評価されている政治家を羨ましく、そして妬ましく思ってしまうでしょう。

また、自分が非力で、弱いものと感じた時、人は自分よりも不幸な人を見て納得しようとすることがあります。そして、自分より弱いものを攻撃することで自分の力を実感しようとしてしまいます。そうしないと、自分の弱さや至らなさ、不幸だと感じる感覚で潰れてしまいそうになるのです。人と比べても意味がないことが多いのに、弱いものいじめにしか救いが求められない。人が弱ると、そこまで堕ちてしまうということで、とても怖く感じます。

しかし正直、ボクもその心は絶対持っていますのでとても理解できる心理です。自分自身もそこに堕ちました。平常心を取り戻すと後悔しかないですが、堕ちている時は客観視もできないし制御もできない。本当に怖いことだと今は思っています。

3. 何かに対する復讐心(腹いせ含む)

これは、5つの中で一番コロナが関係していないかも知れませんが、実社会で”敵”と思っている人に対するネット上での仕返しです。

例えば、職場の上司に嫌がらせを受けて、直接抗議したり戦えない人が、ネット上で仕返しするというケースなどです。

コロナ関係であり得るとすれば、元々の嫌がらせなどの原因にコロナが関わることはあるかも?という感じですが、例えばコロナでやむなくアルバイト職員のシフトを減らさなきゃならなくて、それに対して「なんで私がこんなに減らされるんだよ、生活あるんだけど」と怒り、その鬱憤をネット上での攻撃的な書き込みによって晴らす、などですね。

とにかく、多くの人がストレスや不安で心がギスギスしているので、普段だったら許せたことが許せなくなっていることを感じます。

4. 単純な憂さ晴らし・愉快犯(対象は誰でもいい)

これも今の状況ではありそうだなと思いました。

次の項目の集団ヒステリーと関連する部分がありますが、今回の木村さんの件の様に、多くの目に触れる人は、いわゆる”炎上”というものが避けられません。今のコロナ状況で多くの人の心が荒んでいます。将来への不安で自暴自棄になっている人もいます。そんな状況ですから、ストレス発散を求めますよね。前なら、カラオケで歌いまくるとか、ドライブするとか、買い物するなどなどそれぞれの発散法があったと思いますが、コロナ禍、特に緊急事態宣言中の自粛生活ではもうそのほとんどが奪われました。つまり発散法がなかったのです。

なので、みんなテレビ見るか、ネットの中に潜るかです。

そんな時にストレス発散対象になる”サンドバッグ”を探すのですよね。

対象は正直誰でもいいことが多く、自分の中に眠る攻撃的な部分を使って誰かを攻撃して、スッキリするのです。誰もがこの攻撃的な部分を持っているわけではないと思いますが、イラっとしてしまうことはあると思います。そのイラっとした時に舌を”チッ”て言ったり、何かにムカついた時、思い通りにならなかった時に「もお!」とか「くそ!」とか声を出すこと、床やテーブルを叩いてしまうこと、スマホを投げること、それくらいの”攻撃性”は出てしまいませんか?強弱あれど、人も動物ですから必ずこの攻撃性を持っているのだと思います。

平時なら、この攻撃性は倫理観、理性などで抑えられ、優しく振る舞えますが、コロナのストレスにさらされコントロールできなくなった人も多いのではないかと思います。テレビに出る人、芸能人であれスポーツ選手であれ、政治家であれ、普段より多く叩かれているのではないかな?と想像します。多くの人がサンドバックを探しているので。

5. 集団ヒステリー

最後に持ってきましたが、今回の木村さんの件で一番理由になったのがこれではないかと思います。

具体的な経緯や中傷コメント類をここでは紹介しませんが、心ないコメントやメッセージが無数に送られたことは多くの人の知るとおり。ニコニコ動画って、コメントが右から左に流れる動画共有サービスありますよね、あれ、好きだったんですよね。一時期はまっていたのが、アニメをあれで見ることでした。のちに違法アップロードのものもあると知り見なくなりましたが、一人でアニメを見ながら、「おおその展開か!」とか思った場面で「おおおおお!」とか「きたー!」みたいな同じ感覚を持った人のコメントがたくさん流れるとパブリックビューイングしているみたいな気分になって楽しかったのですよ。

PVのいいところや、スポーツ観戦に球場までいく楽しみってそういう部分も大きいと思いますが、リアリティショーって海外でも流行っていますが、たくさんの視聴者で特定に人たちの生活や活動を見守ることで同じような状況になっているのではないでしょうか?

木村さんも多分ですけど普通に考えて最初から嫌われ役ではなかったはずです。しかし、(番組の演出も影響して?)次第に視聴者から反感を買う感じになり、そしてそういうコメントが飛び交いますよね。そのことは今の時代ですからすぐに拡散して、テラハを見る人同士で「確かにあの人嫌い」「うざい」「やめてほしい」などの意見交換に発展しますよね。木村さんがかわいそうだったかなと思うのが、彼女はおそらく自己愛がとても強い方だったことと、同時に劣等感を持ちやすいタイプだったところかなと思っています。全ては想像なんですけど、インスタグラムの投稿などを見ていると、いわゆる”かまってちゃん”気質が見えます。番組の中でも恋愛面で気になる人に避けられるような場面があったらしく、もっと自分を愛してほしい、好きになってよ、という気持ちや焦りが、素直に出せず、反発する様子で出てしまったり、好きになってくれないならもう関わらないで、みたいな本心と逆へ向かう行動をとってしまうような様子が見えます。

これらの様子を第三者が見ていると、どうしてもかわいくないなこの人って見えるだろうし、反感を持った視聴者がネガティブな発言をすると同調したくなるかも知れません。そして、ある段階を過ぎてしまうと、そこまで反感を抱かなかった人たちが、「あの人も嫌いってことはやなやつなんだろう」と感じ、同調してしまうのです。

コロナでの緊急事態宣言含む非常事態っぽい対応についてホリエモンこと堀江貴文氏はツイッターで「早く集団ヒステリーから目覚めましょう」と発信していますが、一時期話題になった在ニューヨークと名乗る女性の”マジでやばいから動画”を始め、危機感を煽ることが全否定されるべきではない一方でむやみに恐怖心を煽るだけの発信はボクも少し疑問を抱きます。結果的に日本は死者数が世界の状況よりマシであり、それはそういう発信があったことや緊急事態宣言などのおかげかも知れないと思う一方で、一部が唱える「緊急事態宣言不要だった論」に納得の部分もあります。

日本は特に、右向け右!の国ですよね。

だって考えてみてください。日本より後にコロナが広がり始めたアメリカでは3月17日にサンフランシスコで「Stay at Home Health Order」(健康のための自宅待機令)が出されたのに、日本の緊急事態宣言は3週間近く遅れてでした。3月17日、確かに全国一斉休校の最中ではありましたが、普通にお店もやっているし、売っていないことも含めてマスク着用者の割合は今よりずっと低かったですよね。状況が一変したのが3月末。タレントの志村けんさんがコロナ肺炎で亡くなったことが報じられた後。だから4月に入った頃になりますが、急に「え、これってやばいの?」という風潮が広まり始め、初期の自粛警察が出動を開始、それまで特に何も言わなかった親が「家を出るな」と言ったり、それまでヘラヘラ繁華街に出かけていた人たちが手のひら返して「外に出るなよ」と言い始めたり。

どれくらいの割合で裏返るのかわからないですが、イメージ的にはオセロみたいに感じます。このことは今に始まったことじゃないし、日本だけでなくアメリカのマスク事情やトランプ大統領の発言の変わりようをみたら人間心理として当然なのかなと思いますが、直前まで自分は関係ないと思っていた人たちが急にマスク買い占め、トイレットペーパー買い占め、外出者に怒って、という状況が起こります。

ボクはこれは集団パニック状態と感じる部分があり、そして、木村さんへの誹謗中傷行為も、周りが”そういうムードだから”という理由で便乗した人、絶対いると思っています。

ネットでの誹謗中傷がさらに怖い点はその”匿名性”です。本当に、きっと多くの人が「軽い気持ちで」そういう書き込みしているのだと思います。だって誰かバレないから発言に責任ないから。

まずは周りに飲まれて自分の考えではなく攻撃対象に悪意を持ち、そして、無責任にその悪意をぶつけてしまうし、なんなら1番の心理のように、自分の行為は正義だと感じています。自分が正義と感じるくらい周囲に同調して自分の考えがなくなってしまっているので間違ったことをしている自覚が全くないのが集団ヒステリーの怖いところです。

コロナ禍、ボクの受けたネットの誹謗中傷

すっごい長い前置きみたいな感じになりましたが、実はここから自分の話が始まります。

実は今回、木村さんの一件を見るまで全く違った見え方をしていたのですよ。ボクに向けられる誹謗中傷にあたるメッセージについて。

言い換えると、冷静に考えると、ボクは割と強い誹謗中傷に晒されていたのですが、最初の方に書いた通り、コロナ禍でいろんなストレスがあって、いろいろなことが冷静に判断できなくなっていたため、「仕方ないこと」と思っていたし、なんなら「自分はそういうことを言われても仕方ない」と思っていたんです。

劣等コンプレックスの話をしましたが、自分もそれは持っていて、人より優れたことはあると思っているし、何もかもがダメなやつとは思っていない一方で、例えばアラフォーで未婚だし、仕事もめっちゃめっちゃ成功しているわけじゃないし、見た目もこんなだし、的な、上げていくといくらでも劣等感にまみれることができると思います。だから容姿について嫌なことを言われても、「こんな見た目ですみません」って思うし、なんなら不快な思いさせる見た目で申し訳ないという気持ちになったりするのですが、今回の記事で書いた誹謗中傷に至る心理を基本に考えると、3番にあたる「直接現実で攻撃を受けた」人による仕返し以外でネット上で悪口言われたり、それもきつい言葉で攻撃されていい理由ってそうそうないんじゃないかな?と、木村さんの件を色々読んでいるうちに思ったのでした。

自覚ないままストレスにさらされた

今回、2月末から3月初旬にかけて仕事を失い、そのストレスと先行きの不安に”第一波”の精神的ダメージ群にノックダウンしました。

起業家として生きているとどうしても生活は不安定です。なのでこうした精神的ダメージを受けることは定期的にあります。思い通りに契約が取れないとか、良好にしていたはずの取引先ともめちゃうとか、なんだかんだありますよ。それは起業家としての覚悟の上ですので毎回なんとか立ち直るわけですが、このコロナダメージは”レベち”でした(笑)

ピンチをチャンスに、ってことでそういう記事も書きましたけど、どれだけポジティブに物事を考えようと思っても、次から次へと不安要素がやってくるし、復活できる取っ掛かりも見つからない、そして状況は悪化を続けるという時間は本当に辛かった!(いや、まだ全然終わってないけど)

その上、海外の人ですが古い友人、知人数名をコロナ関連の疾病で失いました。正直、Facebookで繋がる程度で近年交流が途絶えていた距離の人もいますが、それでもFBで訃報が流れてきたらショックが大きかったです。

自分に今何ができるのだろう?と考えた時、自分はあまりに無力で、でも無力な自分でも、誰かと協力しあったら何人かの人の役には立てるのではないかって思いたかったし、最初から結果を決めつけて何もしないということができない性分だったので、「Run2Seattle」という取り組みを含むいろいろな企画を立ち上げるグループを、親交のあった学生たち中心に作りました。

https://exs-i.com/blog/other/nikerun2seattle/

直接収益になるわけではないことでしたが、コロナ後を見据えて、そして途中からはコロナ中の辛い生活を送る中で意義のある活動だと思ってライフワーク的にやっていました。最初は割と多くの学生が賛同してくれて、一緒に活動しました。

しかし、この活動を広めていく中でこれまで経験したことのないことが起こり始めたのです。

それが、誹謗中傷メッセージやそれに準ずるメッセージです。

すでに仕事や生活に関連して第一波含む平時には考えられないレベルのストレスがのしかかっていた自分に、プラスアルファで多くの厳しい内容のメッセージが届きました。

その中にはボク自身を対象にしたものもあれば、グループでの活動について指摘するものもあったし、一緒にやってくれていた学生メンバーに対するものもありました。なので、その全てをここに紹介することはできませんが、一部を紹介します。

Run2Seattle企画初期に来たメール

これは3月末ごろきたもので、EXSのページ内に設置している問い合わせフォームからの投稿です。Run2Seattleのインスタグラムアカウントを開設したのが3月22日頃で、インスタライブに先駆けてYouTubeでRun2Seattleについて動画で説明したのが13日。前後してはいますが、このあたりの動画を見た方(と思われる人)からのお声です。

このメッセージは、「国が大変な時に」という点はこちらも真摯に受け止めるべき要素を含んでいます。緊急事態宣言は出ていませんが、大阪と兵庫の県をまたいた移動について自粛が呼びかけられるなどしたタイミングでしたので。しかし、「いい大人が高校生と〜吐き気がしますよ?」の一文などはどの視点から見ても誹謗に入ると思います。

*このメッセージは誹謗的内容が含まれますが、メールアドレス欄に記載があったため、返答をしました。が、不明メールで返ってきてしまったので適当に作ったメールアドレスを入力したと思われます。

こちらは完全に匿名できたメッセージで菅、内容がより酷くなりました。内容を考えるとボクに向けられたものだと考えられます。

4月はじめにきたメールです。「れおさん」という呼び方があまりボクのことを知らない人かな?という印象につながりますが、「きもい」や「寒気がする」という言葉は誹謗に入ると思います。名前もメールアドレス欄もきもいになっていますね(メアド欄が何を入れても大丈夫なことに気が付いたのですね…)。

絵文字付きな感じが個人的にゾッとしました。

非常事態宣言発令後のメッセージ

そして非常事態宣言が出て、多くの学校が5月6日まで、少なくとも休校となることが決定した後もメール・メッセージが増えました。

こちらは厳密には発令前、4月入ってすぐに来たものですが、一つ前の分と同じ人のものかも知れません。違う人なら正直怖いです。怖い理由は、そもそも動画の視聴者や、ボクという人間の認知度を考えた時、そんなに多くのアンチが出てくるとは思えないからで、もし複数、同じようなことを同じ方法で言ってくる人がいるとすれば、集団で同じ考えのグループがいる、もしくは多くの人から見てボクがこのように見えているということだからです。

こちらは記憶の限りインスタグラムで一番最初にきたものです。Run2Seattle宛ではなく、EXSのアカウントに来たものでした。丁寧語ですし、「死ね」とか「消えろ」みたいな口調でもなかったため、こちらも丁寧に回答しました。しかし、こちらの回答が良くなかったのかも知れませんが、

結果的にこの様な口調になり、「キモい」、「テロ」という言葉が出てきました。この後の返信はブロックされたのか、これ以上返答はありませんでした。

こちらは別のアカウント(別の人かはわかりません)から来たものですが、タイミング的には緊急事態宣言が出て10日後くらいだったと思います。文体が上の人と似ているかな?と思う部分がありますし、テロリストという言葉もかぶるので同じ方が複数のアカウントで送ってきている可能性を感じました。しかし、攻撃対象がボク個人という印象からグループ全体や活動自体に移っている点が気になりました。

こちらは、色々な意味で怖かったメールですが、一つは、多くの方に認知されていないはずの「匿名連絡フォーム」が使われた点、もう一つは3分の間に連続して送られて来ている点です。

このメッセージを見たとき、「もしかしたら企画に関わってくれていた学生の中にこれを送っている人がいるのかも知れない」と感じさせられたからです。

YouTubeにも

こちらはYouTubeに寄せられたメッセージです。実際は後数件コメントがあったのですが、今日見てみたら消されていました。ここでも「レオさん」ですね。ほんと、誰なのか、、、。コメントに対するいいねが2件なのも地味に気になりますが、一体本当に誰がこんなところまでこういうコメントを投下しに来るのか、内容以上にそのことを考えるとシンドくなります。

以上はごく一部

これらは本当に一部です。

スクショで記録する前に消してしまったものも含めるとこの5倍くらいあったかなと思います。中には、インスタグラムで通知があったものの、アプリを開けてみるとすでにメッセージが消えていたなんてことも何回かありました。

先に書いた通り、ボク個人やRun2Seattleの活動の認知度を考えると、テレビに出るレベルの人が炎上したり、反感を買ってしまったりすると一体どのくらいの量のメールや書き込みが来るのかと想像したらただただ怖いです。

この様に、人生で初めてレベルで複数の中傷的メールやメッセージを受け取るということを経験しました。

これらのメッセージ、受け取っていた当時は「無視無視」とか、「暇な人がおるもんや」と思っていました。しかし、数がかさむに連れ、今思い返すとじわじわ、ボディーブローの様にダメージ受けていたんだなと感じました。

自分へのダメージを自覚したきっかけ

じわじわダメージを受けていたボクですが、その自覚を持ち始めたのは、ずっと一人で抱えていたことを人に話すことがあってからでした。

無自覚なままだったので自分は大丈夫だとずっと思っていました。立ち止まって、冷静に自分を振り返って、客観的に見るということはなかなか簡単ではありません。特に、コロナ禍でみんなが大変なんだと思っていたり、気にしなくてはいけないことの順位が違ったりする中では簡単に自分の状況を見つめられなかったのだと思います。

また、自分は心理学をずっと勉強し、どちらかといえば相談に乗ったり、人を治す側の人間だと思っていたのもあります。だから、自分がストレスでしんどかったり、ウツになりそうだったりしたら絶対自分で気づくと思っていたし、対策も十分取れているから大丈夫だと思い込んでいました。

しかし、どんどん色々な顔とが思い通りにいかなくなり始め、自分の意思と反して誰かにきつく当たってしまったり、気付いた時にはめちゃくちゃ怒っていたりする様になりました。これを少しずつでしたが客観的事実として気付き始め、ようやく人に相談するに至り、初めて状況を理解しました。理解したとういうのは、最初の方に相談した知人に、

「いや、それはおかしいよ」

的なことを即答で言われた時が一番大きく、正直ショックを受けました。

それをきっかけに、いくつか、自分が受け取っていたメールやメッセージを見せたり、YouTubeに書かれているコメントを見てもらったりし、これは立派な誹謗行為で、普通にストレス原因だし、傷つく人は傷つくことだと言われ、そして、自分が心理学に詳しいとか大人だからとかそういうことは関係なく、誰もが共通してシンドくなって当然のことだと言ってくれて、自分はもしかしたら精神が病んでいるのかも知れないと思う様になりました。

セラピーを受け始めた

その後、心療内科でいくつかの疾患を診断されました。日本ではまだまだ精神的な疾患を”恥ずかしいこと”とするイメージがあるので大きく公表するのは少し躊躇していましたが、木村さんの件を見る中、「誰にでも起きうること」という認識を持ったため、ここでも公表することにしました。

診断では、軽度のウツ、適応障害、そして睡眠障害という精神的な疾患と、心身症として、体に蕁麻疹が出る症状が書かれました。自分で簡単にわかるのは発疹でしたが、実はこれ、前にも何回か起こっていることで、ボクは精神的にストレスが多くなると発疹が出やすいタイプの様です。一番ひどい時はお腹から首元まで広く発疹が出ていました。

軽度のウツについては不眠や気分が落ちる、普段なら乗り越えられるレベルのストレスに耐えらえないなどが言われましたが、それよりも適応障害の方が実生活の中で問題視すべきことと言われました。症状としては情緒面、行動面において社会的機能が著しく障害される状態。神経過敏情緒不安定、衝動的行動などがあるそうで、確かに自分の振る舞いに当てはまる部分があったので、ハッとさせられました。

治療としては認知行動療法とカウンセリングを受けたり、ストレスとの向き合い方やアンガーマネージメントなどを学ぶオンラインセミナーを受講したり、関連の本を読んだり、お家時間を使って改善に努めました。

どの症状も、総じて、通常の生活ではないレベルのストレスを抱えたことや一部から強い批判的・攻撃的メールを受け取ったり、社会的に抹殺するという様なことを言われたりしたことだとされ、本来ならまずはこの原因を取り除くことが大事なのですが、とりあえずコロナ関係のストレスについては簡単に取り除けないため、いわゆる”スルースキル”を身につけたり、悪循環に陥る中で、自分は取るに足らない人間だと思ったり、自分が存在するからいけないと思うことをやめ、自分が誹謗中傷を浴びせられるべき対象ではなく、そして多くの適切でない振る舞い、言動は精神的な状況のため起こったことであり、心を整えることで悪循環を断ち切り、ストレスの少ない時間を過ごせる様にするという方向で取り組みました。

今怖いこと

お医者様からは、ある一定の処置は終わり、治療の必要は一旦ないですと言われました。他で受けたセミナーも一通り終わり、本も読み終わったので、自分としては現時点での治療やセラピー関連は終了したと思っています。

しかし、今怖いことはまだまだあって、それは、

  1. 結局アンチが誰だったのかわからない
  2. 元々一緒にやっていた学生から情報が漏れている
  3. 自分の置かれていた状況が十分理解されていない

これらの点が残っているからです。

人に敵意を向けられることがこんなに精神的に辛いこととは思いませんでした。以前は、「俺のこと嫌いなら嫌いでええよ」、「こっちからサヨナラや」くらいの気持ちでおりました。実際人と人には相性ってものがありますし、仕方ないですしね?

しかし、ボクはEXSという会社と、留学関連のプログラムづくりを通じて、人の優しさの素晴らしさを知り、そしてそれを感じられる日々に幸せを覚えていました。人が人に優しくし、優しくされた人がまた誰かに優しさを与え、そんな美しいドミノが続くことをとても幸せに思っていたのです。

コロナストレスでボクは情緒も含め色々なことがコントロールしにくい状態にありました。その中でボクが良くない振る舞いをしてしまったことがありました。それもたった一度の過ちとかではないかったです。そして複数の人に対してそういうことがあったのが事実です。色々な人を傷つけてしまったと思います。

ですが、ボクは自らの行いを振り返り、反省し、そしてまた前向きに進もうと思っていますが、先ほど掲載した匿名フォームは一般公開している場所にあるとはいえ、多くの人は知らないはずのもので、企画に関わってくれていた人が広めたか、その本人が誹謗メッセージを送っているのではないかと感じたり、企画メンバーじゃないと知らないはずのことが送られてくるメッセージに書かれているなどの事実から、ボクに対して敵意を持つ人がやっぱりいて、反省して、詫びても許されないのか、という風に感じ、とても辛いのです。

確かに一度敵意を持ってしまった人をそう簡単に許せないのも理解しますが、コロナストレスの中、大人でもどれだけ普段立派な振る舞いをしている人でも精神的負担が人格を壊してしまうことはあると思います。自分が体験してまじまじと感じています。

コントロールができなくなって出てきた振る舞いこそ「あなたの本性ね」ということならもう何も言えないのですが、自分のLOGとして、こういうこと(攻撃的なメッセージを受けた)があって、精神が正常じゃなくなっていたことは公表し、知ってもらいたいなと思いました。

総括

木村さんは最後、何を思ったのでしょうか?

亡くなる直前、リストカットする様な映像を公開したことを考えると、やっぱり「助けて」というメッセージを感じます。そしてそれは特定の誰かに向けたものだったのかも知れないとも感じます。たくさんの誹謗中傷コメントを受け取っても、テラスハウスのメンバーが理解してくれ、寄り添ってくれたなら彼女は死ななかったかも知れないなって思います。ネットに書かれている情報だけなので鵜呑みにするべきではないですが、メンバーの多くが彼女に呆れ果て、見捨てる様な関わり方だったという話があります。集団パニック性を考えると、他のメンバーも巻き込まれたくないって感じたり、世間の見方に同調して、嫌いだったり、とにかく面倒に感じたり、いろいろあったのだと思いますが、木村さんに寄り添う人が少なかったのだろうなって思います。

ボクも色々疲れ果て、精神が割と限界になっていたので死んだ場合のことを考えたタイミングがあります。

新型コロナウイルスは地球が人間を排除しようというものだという話がありますね。人間が活動を止めたことで大気汚染が止まったり、水がきれいになったとかそういう話が出ています。

自分の幸せのために何かが犠牲になるということは常に起こっていると思います。人間が欲望のままに生きていたら地球がボロボロになっていくのですからね。逆に地球に優しく生きようとすると色々苦労やロス多い生活をしなければならなくなります。優先順位の悩ましいところです。

コロナで多くの人が不幸になる中、自分は幸せでありたい、その思いが、仮に誰かが不幸になってもいいから自分は幸せでありたいという感情を生んでいるかも知れないと感じます。

世界で何万人死んでもいいから自分の身内や自分が健康であればそれでいいと思っている人、今とっても多いと思います。だから”自粛”と言われてもサーフィンに行ったり、パチンコに行ったり、歓楽街に出かける人がなくならなかったのです。

誹謗中傷を受けた側の精神的ストレスのヤバさは身をもって体験しました。受けた側はきっと同じことをしないと思います。その凶器的な力を知っているから。でも、ストレスがいっぱいの生活を強いられる中で、ちょっとでも発散できる要素として攻撃対象を見つけた人は自分が楽になるために攻撃的行為をしてしまうのだと思います。

ボクは有名人でもなんでもなくたまたま対象数百人というインスタグラムで生配信をしたり、フォロワー300人程度のYouTubeで語ったりしただけでこの数のメッセージを受け取ったのですから、これはコロナ禍での特殊な状況だと思っています。ボクがサンドバックになることでどこかの誰かさんのストレスがちょっとでも解消されたのならそれで「自分が社会の役に立っている」と思えなくもないのですが、、、、。でもそのストレスの影響で失ったものがある以上、#metoo 活動ではありませんが、自分だって下手したら死を選んだかも知れないと普通に思うし、現代のネット社会の闇を体験した者としてあったことの公表と、得られるのであれば公平な意見をもらいたいなと思い、たくさん書きましたが、この様にブログに載せようと思いました。

これからもまだまだ続くコロナ時代ですが、皆さんにとって心安らかに、そして前向きに過ごせる日々になることを願っております。また、自分の体験談がどこかで苦しむ誰かに届いて、役に立つことがあればいいなと思います。

シアトル生まれ、大阪育ち。6年前に独立・起業しましたが、コロナ禍で事業が大ダメージを受け、人生の方向転換に悪戦苦闘の日々です!とにかく、「ワクワク」に満ちた毎日を目指してできることから地道に頑張っています〜!