「大麻合法化」問題:合法都市シアトルを参考に考えてみた

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元女優という名の知れた人の大麻所持による逮捕で注目を浴びている、「医療大麻」や「大麻合法」問題。逮捕された容疑者は先の選挙戦でもその重要性を叫んでいました。

医療目的として使う場合の大麻の有用性、有効性の高さを広め、日本での合法化を進めたいということでしたが、逮捕報道後、多くの医療関係者がその”不必要性”を発表しました。

「医療大麻」とは?

ボクは医療関係者ではないので細かいことはわかりませんが、「医療大麻」についてWikipediaには下記の通り記されています。

医療大麻(いりょうたいま、Medical Cannabis, Medical Marijuana)、時に医療マリファナとは、大麻に含有されるテトラヒドロカンナビノール (THC) やその他のカンナビノイド、あるいは、それらに類似した構造を持つ合成カンナビノイドを利用した生薬療法である。あくまで治療方針の一つであって、大麻の種類を指す言葉ではない。

もちろん日本では「大麻取締法」第四条第一項第二号と第三号の規定により、大麻から製造された医薬品の施用は出来図、当然、”医療目的”と主張しても所持はできず、「7年以下または10年以下の懲役刑」となります。

テレビでは医師が「大麻が医療に必要なんてありえない!」と主張するシーンもよく目にしますが…一方でAmazonで見てみると下の物を代表に肯定的な内容の図書もたくさん出てきたりもするので素人のボクには本当にわかりかねる話です。

合法されている国や地域

日本では上記の通りですが、アメリカでは、医療大麻を認めている州が25州あります(2016年6月時点、全部で50州なのでちょうど半分の州)が、これは州法での認可であり、FDA(食品医薬品局)及びDEA(麻薬取締局)は「大麻には医療価値はない」との見解を示していて、国の方針として大麻に理解を示しているわけではありません。

ボクの故郷でもあり、ビジネスキャピタルでもあるシアトルがあるワシントン州もこの25州に入っていますが、ワシントン州最高裁が「連邦法の下ではワシントン州の患者であっても合法的に大麻を使用する権利を持っているわけではない」としていながら(2011年)、現在、医療大麻だけでなく、「嗜好品としての大麻」を合法化しています。

曲解してしまうと、「マリファナが合法の州」ということになってしまいますが、これは後に付け足して補足します。

同じく北米のカナダでもライセンス制で医療大麻は認められています。

オーストラリアは、「医療目的と研究のための大麻栽培」が認められてています。

他有名なのは、オランダで、1976年よりコーヒーショップでも処方箋など特別な書類なしでも大麻が買えます。

規制派と合法派、シアトルのケースで考えてみる

これらの他国の実情も踏まえて先述の容疑者は、「世界基準」では医療大麻は認められているし、意味があると訴えていたわけですが、少し調べてみた結果、いろんな人がいろんなことを言っているので、「正直わからない」というのがボクが今言えることです。

ただ、規制をやめ、「嗜好品としての大麻」を認めたシアトル(ワシントン州)のケースを元に規制する立場と合法化(認可する)立場について考えました。

シアトルでは合法化されていると言ってももちろんルールがあり、それは日本での酒やタバコと同じです。

21歳以上しか購入(使用)できず、購入はライセンスを持つ専門店に限ります。当然、それ以外からの入手は違法であり、入手した大麻は違法大麻です。

公の場での喫煙は禁じられており、扱いとしてはアルコールと同じで、摂取後の運転も違法となります。副流煙による受動喫煙の観点から同乗者の喫煙も不可であり、警察は血中アルコール濃度を測る機械と同じく、大麻成分を検出する機械を携行しています。

ワシントン州が大麻を合法化しているわけですが、隣接するアイダホ州(南に隣接するオレゴン州は合法)は違うため、それらの州に持ち出す(持ち込む)ことは違法で、北に隣接するカナダへ持ち込んだ場合は「密輸」扱いとなります。

感覚的にはお酒、タバコと同じに見えると思いますが、ではなぜ、全米50州の内、ワシントン州、コロラド州、オレゴン州、アラスカ州の4州のみが「嗜好品としての大麻」を認めているのか?

その理由としては以下が挙げられます。

大麻合法化理由

  1. 税収増
  2. コントロール
  3. 雇用創出
  4. 観光促進

税収増とは、高い税金を設定することで、税収を期待するということです。日本ではタバコは400円台ですが、アメリカの多くの都市で1000円近い値段となっているのは税金分が大きいから。贅沢税と似ていますが、なくても生きていけるものに対して高い税金を課し、税収安定を図ります。

コントロールとは、規制することでマフィアなどの反社会的集団やテログループが裏ルートで商売をし、資金を増やすことを抑止し、政府が管理できるルートで使用実態を把握し、闇集団を締め出すなどの狙いがあります。

雇用については、大麻を育てるところから、販売まで、「ビジネス」として認識し、携わる職員を生み出し、雇用増を目指せるという考えです。

最後の観光については、他の州で禁止されているものであるため、それを目的とした観光客を呼び込むという狙いです。変な言い方になりますが、「大麻ツアー」を目論むということです。雇用とも関連します。

日本人向け大麻ツアーなんかも、、、

日本人向け大麻ツアーを行っている会社もあるそうですが、ボクの認識では、在住ではなく、”滞在中”に海外でマリファナを吸った場合は日本の法律的にOUTです。違ったらごめんなさい。

これらの理由から、合法化に踏み切ったワシントン州ですが、厳格なルールもあり、合法化された2014年からしばらく経ちますが、特に街が変わったなという印象はありません。

公共の場での喫煙は禁止されているのでそこいらで吸っている人を見かけるわけでもありませんし、少なくともボクの友人・知人で大きな声で「やったー」と大麻使用を発信している人もいません。

変わったのは、上記にもある通り、「マリファナ天国」という曲解をした日本の人から、「大麻やった?」という興味本位の質問が増えたこととか、たまーにですが、「行ったら買えるところ連れて行ってくれるの?」という話題になることもあるくらいでしょうか?

ボクはそもそもからタバコが大嫌いで、もう成人なので日本でもアメリカでも吸えますけど、喫煙したことはただの一度もありません。そんなボクが大麻を吸うことは考えられず、調べたらそこら中にあるのかも知れませんが、ライセンス持つ専門店の所在地も知りません。

これらのことは、「銃」についても似ていますね。買うことは不可能ではありませんが、所有したことも、触ったこともありませんから。

話が逸れましたが、つまり、合法化の「意図」はある部分では狙い通り進んでいるのではないかと思います。ただ、コントロールが完全にできているかというと疑問です。これは日本でたくさんの未成年者が喫煙や飲酒をしている実情と同じですが。

日本でも、例えば「風俗」は、”売春の合法化”と同意ですし、これも大麻合法化理由と似た理由でこうなっていると思うので、所変わっても、形違えど似たようなことは起こっているということです。

まとめ

非常に繊細な問題ですので長くなってしまいましたが、上記の通り、シアトルでの大麻合法化以降、「やった?」という話が出ることが何度かあり、その度この話題については考えていましたし、未成年の学生向けプログラムを扱う身としては考える必要が強い話題だと思ってきました。

今回日本で有名人が逮捕され、話題となり、改めて考えましたが、今回書いた通り、大麻であれお酒であれ売春であれ、規制する理由と、合法とする理由にはそれぞれ明るい面、暗い面があります。

日本はアメリカと比べ小さな国なので、都道府県レベルでの条例で現時点で「麻薬」とされるものの所持や使用が許可されることはないと思いますが、2020年のオリンピックを控える今、本当の意味の「世界基準」を考える時かも知れません。

その中で、タバコについても「公共の場での喫煙禁止」という「健康増進法」以来さらに踏み込んだタバコへの規制強化案が出たり、風俗関係の法整備やり直しについても語られ始めている様ですから、改めて大麻や危険ドラッグについて法整備が進むかも知れません。

ボクの会社では、この「世界基準」は頭に置かなくてはならないテーマですが、それ以上に、「自分がどうありたいか」をそれぞれの個人が持てる成長を考えています。「法律がこうだから」、「誰かがこういうから」ではなく、「自分がこうしたいからこうする!」という意思が持てる人を育てたいと思っています。それが成立すれば、「シアトルは大麻が合法だからやる」のではなく、大麻が自分に必要なのか?どの様な利益と害があるのかを考え、どうするかを決められると思うのです。

綺麗事かも知れませんが、こうして「考えられる人間」が増えていくことが日本が世界へ出ていく力になり、日本人が世界で活躍し、そして世界が日本に注目する様な時代へ続く道なんじゃないかな?と思っています。

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書いてる人
シアトル生まれ、大阪育ち。第一言語は大阪弁。現在は日米行ったり来たり。EXSでは、留学や国際交流プログラムの企画を軸にキャリア支援、ライフプランニング事業を展開。フォトグラファー&心理家としても活動中。大阪に写真ギャラリーあり。主に風景と人物を撮っています。撮影依頼気軽にどうぞ!
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