日大アメフト部危険プレイ問題について思う3つのこと

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アメリカでは最大のスポーツであるアメリカンフットボールはその競技の特性上日本人には合わないと感じる部分も多く、日本ではあまり大きなスポーツではありません。しかし、一定のプレイ人口はあり、そして今回話題になっている”事件”は大学スポーツの一部として起こってしまいました。

日本の社会人リーグでプレイしたこともあるアメリカ人の友人もこの件について「とても異様で、不快な事件だ」とコメントしていますが、スポーツというのは闘志を燃やし闘い、時に対戦相手に強い敵意を持つこともありながらも、最後にはお互いの検討を称え合い、美しい姿を見せるべきものだと思います。最近でいうと、平昌オリンピックで、小平選手と李選手の友情が美談として話題になりましたね。ああいうものこそスポーツのあるべき姿だと感じるわけですが、今回の事件はその真逆にある醜態とも呼ぶべき姿です。

今後刑事告訴や民事訴訟などの展開も考えられる案件ですが、一連の報道を見ながらボクが感じたことを3つにまとめてみました。

1. 監督の指示を選手が曲解したという主張の矛盾

この件がワイドショーなどに取り上げられ、大きな話題となり、関学側は16日を期限に回答を求め、日大側が回答を出しましたが、その中にとても気なる段落がありました。

弊部の指導方針は、ルールに基づいた「厳しさ」を求めるものでありますが、今回、指導者による指導と選手の受け取り方に乖離(かいり)が起きていたことが問題の本質と認識しており、指導方法に関し、深く反省しております。

(from asahi.com)

こちらですが、指導者はあの様なタックルをすることを指示しておらず、選手の受け取り方に、”乖離”が起きていたとありますが、乖離とは、『そむきはなれること』(from weblio)で、言い換えると選手が受け取り方が下手で、理解力不足で、なんなら逆らい、反き、従わず、曲解した状態でああした行為が行われた、という説明に聞こえます。

確かに、例えば、ボクはサッカーをしていましたが、監督から「もっと激しくいけ!」と指示を受けたことはあると思います。サッカーではルール上肩と肩がぶつかることは問題ありません。スライディング行為も、スパイクの裏を見せるなどの悪意が見えるものでなく、目に見えてボールに向かっていくものは大丈夫です。スライディングすることを”削る”と呼ぶことも一般的で、知らない人からすると危ない行為を指す様にも聞こえるこうしたプレイは通常通りのこととして起きています。その肩でぶつかっていく度合いが弱く、スライディングにも消極的なプレイをしていた時、監督はもっと積極的にボールに向かっていかないと奪えないだろうという意味で激しく行けという言い回しで選手を鼓舞します。それを、選手が「相手選手を傷つけろ」という意味で受け取ったとしたら、可能性は0ではありませんが、ありえるかも知れません。選手と監督の信頼関係がしっかりしていればないだろうと思いますが。

しかし、万が一この様な形で、「厳しさ」を求めた監督の指示に、相手QBがプレイ続行不可能になるレベルでアタックすることと選手が受け取ったなら、最初の1回目のプレイで監督は、

「おいおいお前なにさらしとんじゃ」

と起こるはずだ、とボクは思いました。

ボクは指導者になったことはありませんが、日大のイズムとして、そうした行為は違う、そういうことを求めた(指示した)わけじゃない、と思うのなら、最高責任者でもある監督の権限で彼をゲームからイジェクト(退場させる)して然りです。あれだけ明らかに逸脱したプレイですから、見逃した、は言い訳になりません。

しかし、報道通りなら、最低でも3回、大きなファウル的行為があり、結局アタックを続けた選手は退場処分になっています。チームは彼のプレイを最低でも容認していたのです。

『問題の本質』が選手の曲解という公式回答はいささか納得行きませんね。

監督というポジションは、こういう機会も含め、全ての責任を取るものではないですか?

仮に、その指示が先輩プレイアーだったり、コーチの独断だったり、もしくは本人の意思だったとしても、責任を取るべきはやっぱり監督です。また、大学スポーツである以上、大学組織の役員も同様の立場です。

「私が指示したわけではない」「選手が勝手に」という論理をこの期に及んで公式回答に盛り込んだ精神が全く理解できません。

冷静に考えれば上記矛盾は誰もが気づくことであり、そうでなくても責任の所在は一般論で誰もが知っているのに、日大組織の対応には驚きました。

 icon-info-circle 全文はこちらをご覧ください→日大から関学大への回答全文 アメフト違反行為問題

2. なぜ一人だけラフプレイを??

当然のことですが、アメフトはチーム競技です。

今回取り上げられている件は、ある一人の選手によるラフプレイでした。

チームをあげて、「厳しく」行く、というのが日大スタイルならば、他の選手のプレイはなぜ取り上げられないのか?試合を全部見ていた人ではないので言い切れないことですが、QBを傷つけた彼だけが突き抜けておかしなプレイを続けたのではないか?ということです。

報道では、彼はQBをプレイできなくさせられたら今後の起用を約束するという様なことを言われていたという話もあります。これに関しては明確な裏付けのないことですが、仮にそうだったとしたら少し納得行く部分もありますが、それでも、例えばチームのキャプテンは?他の多数いるチームメイトは?なにも思わなかったのか?ということです。

いじめを見て見ぬ振りする人は同罪だという話がありますね?

今回の件はそれに近いのではないかと思いました。

報道をある程度鵜呑みにするなら、また内田監督がテレビに語った「ある程度強くいかないとうちは勝てない」という趣旨の発言を考えると、日大の戦い方として、「厳しく」、つまりラフプレイを戦術的扱いで戦うことが日常化していたと考えて妥当だと思います。

だとすると、ある意味で選手たちは麻痺させられていた、言い換えると、洗脳下にあったのではないでしょうか?アメフトはもともとラフなスポーツで、ぶつかり合うことが基本ですが、それでも、あのルールにも沿わない、スポーツマンシップにも沿わない危険行為を目の当たりにして、誰一人チームメイトが動かなかったのはそういうことではないかと、そう思いました。

一部では選手がボイコットを画策しているという話もありますが、この点も非常に気になります。

 icon-external-link  日大アメフット部 解体危機、悪質タックル問題 監督続投なら選手ボイコットも

3. 責任は誰に?対応する優先順位は?

ボクは小さいながらも組織のトップに座っている身です。

会社の戦略や方針については自分である程度考え、スタッフとのミーティングを経て確定させることもあれば、自分だけの裁量で決めてしまうことも少なくありません。逆にいうと、「現場判断で」という場面は多くないかも知れません。

しかし、たまーにある現場判断の場合、長である自分が判断の許可を出していますので、現場スタッフが万が一間違った判断をし、それに伴い責任が生じた際は、自分の責任になると考えています。もちろん、この「許可を出す」前提として、スタッフの判断力・能力に対する強い信頼があります。

もしミスが起きた場合はそのスタッフの失敗かも知れないし、指導力不足かも知れません。しかし、実はそれはどちらでもよくて、大事なのは判断ミスにより迷惑を被った人への対応なのです。

例えば、うちのスタッフのミスでお客様が怪我をしたとして、一番大事なのは”ボクが責任を取る姿勢を示してドヤ顔する”ことではなくて、怪我した方を一刻も早く病院についれていき必要な医療処置を与えることだったり、痛みや不安、恐怖を取り除いてあげることだと思っています。説明責任や保護者様へのケア等は優先順位としては後になります。

今回、上記の回答書で怪我をした選手へのコメントはありましたが、内田監督や怪我を追わせてしまった選手が実際お見舞いに行ったということはありません。また、上記の通り、責任が上層部にないとも取れる文面で応えています。

やはりこの一連の日大・日大アメフト部の対応、態度に違和感や不快感を覚えざるを得ません。

まとめ

先に書いた通り、この問題は今後訴訟問題に発展する可能性を秘めています。刑事なのか、民事なのかはおいておいて、それくらいシリアスな問題であるということですが、日大の初動はどこかその現実が見えていない様に感じました。

例えば、車で歩行者に当たってしまったとします。ミラーが腕をかすめた位だったら、多くのドライバーは、「かすれた程度」と思い、仮にとまって詫びたとしても、そんな大事になっているとは思わないと思います。多分自分でもそうだと思います。

当然、バンパーに当たる感じで轢いてしまい、血を流した人が倒れていたら、事の重大さを感じるでしょう、誰でも。しかし、ミラーがかすれた程度だと、そのまま行ってしまうドライバーもいると思います。

今回の日大の対応はこの「かすれた程度」感を感じます。

たかだかファウルの一つや二つの事、と。

しかし、これはそんな問題ではありませんでした。

もしこのQBを不能にさせるということが指示だったなら、もし、その指示を成就した際に選手に見返りがあるという話があったなら、もしそうしたスタイルが日大アメフト部の常習化されたものだったなら、、、。

いやはや、本当にゾッとします。

まだ20歳前後の若く、判断力が幼い世代が組織ぐるみでこのような事態に巻き込まれていたのなら、本当に大変な事です。

若い世代を育てるという仕事に身を置き、そこに喜びを感じている一人の人間として、とても残念でもあります。

今後の展開が明るく、未来を感じられるようなものになることを強く願います。

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シアトル生まれ、大阪育ち。第一言語は大阪弁。現在は日米行ったり来たり。EXSでは、留学や国際交流プログラムの企画を軸にキャリア支援、ライフプランニング事業を展開。フォトグラファー&心理家としても活動中。大阪に写真ギャラリーあり。主に風景と人物を撮っています。撮影依頼気軽にどうぞ!

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